まるで悪夢のようだった2020年が、もうすぐ終わる。
今年は、年初には想像もつかないような1年になってしまった。
本当ならば、日本じゅうが、東京オリンピックの狂騒に包まれていた筈だった。誰も彼もが、お祭り騒ぎに酔いしれていた筈だった。
しかし、実際に日本じゅうを包んだのは、未知のウイルス。
お祭り騒ぎなど、もっての外、誰も彼もが距離を取り、マスクを手放せない世界になってしまった。
餃子パーティーを行うのも難しくなってしまったから、僕は、その憂さを《ひとり町中華》《ひとり餃ビー》で晴らそうと思った。
もともと僕は、町中華が好きだったのだけれど、これまでは、なかなか行く機会を逸していた。
しかし、ひとり餃ビーするには、最高のシチュエーションだということを悟ってからは、毎週末の楽しみになった。
ということで、今年は、僕にとって、町中華元年と言える。
出会った町中華については、逐次、このブログでご紹介させていただいていたため、ベスト10形式で振り返って見ることにしたい。
あくまで、しがない餃子ランナーの主観に基づく、偏ったランキングではあるが、何らかの参考になれば幸いだ。
このエントリーではダイジェスト的な紹介になるのだけれど、詳細は、リンク先のエントリーで書かせていただいているので、興味のある方は、そちらもあわせてご参照いただければと思う。
- 【次点その1】板橋本町「かさま」
- 【次点その2】阿佐ヶ谷「三番」
- 【次点その3】桜新町「八丁軒」
- 【第10位】祐天寺「三久飯店」
- 【第9位】大山「わくい」
- 【第8位】平井「東東」
- 【第7位】糀谷「朋友」
- 【第6位】浅草「十八番」
まずは…。
惜しくもランキング外になった(けれど、僕的には上位の)町中華たちから。
【次点その1】板橋本町「かさま」
この店がベスト10に入らないとは…。
自分で選んでいて言うのもなんだが、それだけ、今年僕が行った町中華はレベルが高かったのだなぁと実感。
町中華としての雰囲気は文句ないのだけれど、餃子のインパクトが若干弱かった。
ただ、ワイルドなニラ玉は僕の好きなタイプだし、他に食べたい料理もあるので、再訪はすると思う。
【次点その2】阿佐ヶ谷「三番」
店の佇まいは文句なし。
これぞ《昭和の町中華》といった感じで、博物館に残したいほど。
一見平凡なようで独創的な、ニラ玉野菜炒めも素晴らしかった。
惜しいのは餃子。
注文してからの手包みで、ニンニクの効いた野菜系で、僕の好きなタイプではある。
ただ、いかんせんニンニクパンチが強烈すぎて…。ニンニク好きの僕でも唸るほど。
もう少しニンニクと他野菜のバランスがとれていれば、間違いなくベスト10入りの店だったのだけれど。
【次点その3】桜新町「八丁軒」
次点には、奇しくもニラ玉推しの店ばかり並んだ。
その中でも、この店のニラ玉は超絶圧巻。ニラ玉なのに800円もするが、それだけの価値は十分。
僕がもし餃子ランナーじゃなくて、ニラ玉ランナーだったら、この店は間違いなくナンバーワン。それぐらい、ほんとに、めちゃめちゃ美味しかった。
しかし…。
この餃子の印象が、ちょっと微妙。
焼き色は美味しそうなのだけれど、具の中心が「肉でも野菜でもない何か」のようで、ほとんど味がしない。
食感が独特なので、1度はネタとして食べる価値はあると思うが、もう1度食べたいかと言われると…。
僕は未だに、この餃子の具が何だかわからないw
ということで、餃子ランナー的に、ベスト10に入れるには抵抗があった。
ただ、ほんと、とにかく、最高に、ニラ玉が美味しいので、また是非ニラ玉を食べに行きたいと思っている。
で…ベスト10のご紹介。
【第10位】祐天寺「三久飯店」
この店の「売り」は、なんと言っても、この海老炒飯だ。
チャーハンの上に、これでもかといわんばかりに海老が散りばめられていて、インパクトが抜群。海老好きにはたまらない。
僕は、このビジュアルをSNSで見て衝撃を受け、いざそれを実食するべく、祐天寺まで出かけたのだ。
もちろん、炒飯だけが目的の訪問ではない。
餃子ランナーとして、餃ビー注文はマストだし、それも十分満足できるものだった。
サイズは小ぶりだけれど、具はぷっくりと詰まっていて、食べ応えがある。
肉の旨味を感じる具で、ほのかに肉汁も感じる。
そして、やっぱり皮が旨い。カリカリ感ともちもち感のバランスも絶妙で、レベルの高い餃子だと思った。
この日は、炒飯とのコンビにしてしまったので、1皿にとどめたけれど、単なる餃ビーだったら、おかわりしたくなるような餃子だった。
【第9位】大山「わくい」
なんといっても、このワイルドな餃子の盛りつけがたまらないw
ぷっくりと具の詰まった、大ぶりの餃子が、なんと9個で480円。
凄いのは、その量だけじゃない。
具は、野菜と肉のバランスがしっかりとれており、食べ応えがある。
野菜のザクザク感も、肉の旨味もしっかり感じられるし、皮も素朴で美味しい。家庭で作る、王道の手作り餃子と言った感じだ。
その味もしっかりと美味しくて最高だ。
この店は、餃子に限らず、どんな料理でも「大盛り」になっている。僕はこの日、別途「ニラ炒め」を注文したら、それもかなりの大盛りで出てきたため、食べきるのに苦労したほど。
今度行く時は、できれば、何人かで行って、色々な料理をシェアして楽しみたい。
【第8位】平井「東東」
総武線平井駅から5分程度の場所に、ぽつんと存在している隠れ家的名店。
焼餃子も普通に美味しかったが、独自メニューである「ウマ煮餃子」がなかなか気に入った。
中華丼の「ご飯」が、餃子に置き換わったと考えていただくとわかりやすいかもしれない。
餃子の具にそれほど癖がないので、野菜あんかけとぴったりマッチする。
皮のかりかり感との相性も良かったので、揚餃子(これもメニューにある)でのウマ煮餃子も食べてみたいなぁと思った。
常連になれば、裏メニューとして作ってくれるだろうか?
【第7位】糀谷「朋友」
今年の真夏。暑さ真っ盛りの8月。
僕は、大鳥居まで遠征し、都内ベストワン級だと思っている「龍門」を久しぶりに訪れた。
もちろん、その餃子は最高だったのだけれど…。
ランチタイムのビール提供がなくなっており、僕は、失意の気分で店を出た。
折角ここまで遠征してきたのだから、ビールを飲まずに帰れない!
そんな僕を救ってくれたのが、この「朋友」だった。
何しろ、「龍門」の餃子を食べてしまった直後だけに、それと比べてしまうと、どうしても見劣りしてしまうが、手造り感溢れる餃子だ。
その具は、野菜と肉がバランス良く、ニンニクは入っていない。あまり下味はついておらず、普通に酢醤油が合う。
カリッカリに焼けた皮が味わい深く、ビールとの相性は抜群だった。
僕は、龍門で果たすことのできなかった餃ビーワールドに、心ゆくまで酔いしれた。
2軒でたっぷり餃子を食べ、ビールも飲んでいるので、普段の僕なら、それで《打ち止め》となるところだった。
しかし、この店に来た以上、看板メニューといわれる「五目炒飯」を注文しないわけにはいかない。
1人前…はきついかもしれないが、半五目炒飯もできるということだったので、僕は、それを注文。
半炒飯でも、普通の炒飯同様の過程でしっかり作られ、見事なビジュアルで僕の目の前に登場した。
いやぁ、やっぱり美しい。
半炒飯とはいえ、十分なボリュームもあったので、僕はお腹が苦しくなったが、でも、心ゆくまでそれを堪能した。
【第6位】浅草「十八番」
とんねるずの「きたなシュラン」(汚いけど美味しい店)で三つ星を獲得した店だ。
店は想像していたほど汚くなかったし、その味は、流石三つ星店と言えるものだった。
ひとめでカリカリ感が伝わってくる、完璧な焼き色。美しいヒダの形は、手造りの証明。思わず胸が躍ってしまう。
これが、ビールに合わない筈がない。
カリカリした薄皮と、みじん切りの野菜のハーモニーが絶妙。
ニンニクはあまり入っておらず、癖のない味わいで、オーソドックスに酢醤油で食べるのが合う。そしてもちろん、ビールとの相性も抜群だ。
過去エントリーでの、自分のレポートを読んでいたら、僕は、またこの店に行きたくなってしまった。
きたなシュランで紹介された料理である「酸辣湯麺(サンラータンメン)」と「ぶためし」は、まだ食べていないので、今度は是非、それを食べるために再訪したい。