【前回のあらすじw】
僕にとっては、9年ぶり3回目の広島訪問。
到着日のランチで行こうと決めていた店「壽ゑ廣餃子」が、臨時休業となっていたため、僕は、餃子難民になりそうだった。
しかし、広島の街をさまよい歩いているうちに、偶然、町中華の店を発見。
店頭の暖簾が、あまりにもいい加減な感じでかかっていたので、「大丈夫か?」と思ったが、食べログの過去写真によると、それがデフォルトであることがわかった。
僕は、細かいことを気にしない店なんだと納得し、ワイルドな暖簾をくぐった。
店内は、いかにも昭和の町中華という趣だった。
しかし、そんな店でも、席と席の間にはアクリル板が設置されていた。
席はカウンターのみで、しかも10席程度。
僕が入店した時刻は、13時頃だったので、昼食のピークは過ぎていたと思うが、僕の後にも、何人も入店してきて、店内はほぼ満員だった。
僕は、カウンターに座り、メニューを眺める。
眺めるまでもなく、注文する料理は決まっているのだが、念のための確認だ。
昔ながらのオーソドックスな中華店と思いきや、天ぷら類が充実している。
何だか不思議な感じだった。
ただ、僕が注目したのは、その下に書かれていた一品料理メニューでトップを飾っていた料理だ。
ギョウザ・・・・・・480円
外はパリパリ、中はジューシー心をこめた手づくりです。
その言葉は、僕の感受性を大きく刺激した。
「外はパリパリ」…いいぞ!
「中はジューシー」…それでなくちゃ!
「心をこめた手でくりです。」…やった!
ここまで言われては、注文しないわけにはいかない。
まぁ、言われなくても注文するんだけどw
ということで、僕は、ギョウザと、そして、その最強の伴侶(ビール)も合わせて注文した。
ギョウザとビールは、同時に出して欲しいと依頼し、それが出てくるまでの間、店内をつらつらと眺めながら待っていると…。
まずは、餃子用のツケダレが目の前に置かれた。
タレの中に、ネギが入っている。これが広島流のタレなのだろうか。
そんなことを思いつつ、厨房を眺めていて、僕は、ちょっと衝撃を受けた。
店主は、炒飯も焼きそばも、そして僕のギョウザも、同じ中華鍋で作っていたからだ。
ギョウザは、丸い中華鍋の中で、まるで炒め物のように調理されていた。
店主は、豪快に中華鍋を振った後、ターナーでギョウザを押さえつけ、油を切って完成。
いやぁ、なんてワイルドな調理方法だろう。
僕は、この店の入店時、暖簾のかけ方があまりにもいい加減でワイルドだと思ったが、そのコンセプトは、調理においても発揮されていたわけだ。
その精神は、盛りつけにも反映。
綺麗に並べようと意思が全く感じられないw
それはそうだろう。
店主は、ギョウザが完成すると、中華鍋から「流し込むように」皿へ乗せていたからだ。
そしてそれを、整えることもなく、そのまま僕に提供した。
人によっては気にするのかもしれないが、僕は、ここまで来ると、豪快でむしろ気持ちいいと感じた。
最強の相棒、ビールとの競演。心が踊る。
見かけなんてどうだっていい。それよりも、ビールとの相性の方が、何倍も重要だ。
囓ってみよう。
美味しいぞ!
かなり小ぶりのギョウザだが、揚げ焼きのような処理をされているため、食べ応えがある。
野菜中心の具とカリカリの皮が、絶妙なバランスを保っていて、後を引く味。
もちろん、ビールとの相性は抜群だ。
僕は、大いに気分がよくなり、あっという間にそれを食べきってしまった。
ということで、追加でもう一皿注文。
2皿目は、1皿目より、ちょっとだけ行儀良く並んで、僕の目の前に登場。
ただ、厨房を眺める限り、その調理方法も、皿への「流し込み」スタイルも変わっていなかったので、これは単なる偶然だろう。
もちろん、どんな盛りつけだろうと、味には変わりないので、僕は、この2皿目にも大いに満足した。
このサイズであれば、あと数皿ぐらいは余裕でいけそうだったが、この日、僕は、夜にも餃子を食べる予定だったので、グッと我慢。
お腹に余裕を残しておく必要があったからだ。
ということで、僕は、十分満足して、昼下がりの餃ビータイムを終えた。
さぁ、夜のメインイベントに備え、広島の街を観光して、腹ごなしをしよう。
(以下、続く。)