先月下旬。
僕は、9年ぶり、3回目の広島訪問をした。
JAL「どこかにマイル」のおかげで実現した、格安旅行だ。
僕が初めて広島を訪れたのは、高校の修学旅行時に遡る。もう、数十年前のことで、殆ど記憶がない。
2回目に訪れたのは、9年前。
この時は、かなりハードスケジュールの出張だったので、殆ど自由時間がとれず、なんとか夜明けランをしただけに終わってしまった。
だから、今回の旅では、これまで楽しめなかった広島の醍醐味を満喫する予定だった。
とはいえ、週末だけの強行スケジュールだったので、行動時間は限られている。
広島に到着した日、僕は昼も夜も、行く店を決めていた。
初日のランチ店として選んだのは、薬膳を効かしたスパイス餃子が売りで、開店早々人気になっていた「壽ゑ廣餃子」。
ここは、広島中心部の立町というところにあり、僕は、そこをめざし、意気揚々と訪れたのだけれど…。
なんと、ランチは臨時休業…。
聞いてないよ、そんなことorz
夜は通常営業のようだったが、夜は夜で別の店に行く予定だったので、大いに予定が狂った。
事前の調査によれば、僕が広島で行きたかった店は、昼間休業のところばかりだったが、ここは開いていそうだった。
だから大いに期待していたのに、開店早々臨時休業とはあんまりだ。
僕は、いきなりランチ難民になりそうな状況となり、唖然とした。
いや。
開いている店はいくらでもあったので、こだわらなければ、すぐにでも食事することは可能だった。
しかし、折角広島に来たのだから、餃子以外のものなんて食べられない。
「餃子と広島は関係ないんじゃないか?」と言われそうだが、いずれにしても、餃子脳になっている僕に、他の料理は受け付けられる筈がなかった。
ということで…。
僕は、しばしこの街をさまようことになる。
立町のすぐ近くには、本通商店街もあったから、手頃な中華料理ぐらい、いつでも見つかるだろうと思ったが、甘かった。
商店街は、かなりの人出で賑わっていたが、食事ができるようなところは殆どなく、中華料理店に至っては、皆無に等しかった。
時刻は13時近くになっており、僕はかなりお腹が空いてきた。
この日は、17時から別の店に行く予定だったから、そう考えると、あまり時間もない。
「夜にはガッツリ食べる予定だから、ランチは諦めてお腹を空かせておくか…」と思いながら、本通商店街から、ふらっと脇道を見やると…。
突然、赤い軒先が目に入った。
おぉ、中華料理!
僕は、開いていてくれ!と祈りながら、店に向かって走り出した。
のれんのかけ方があまりにも適当すぎて、もはや《中華料理》とは読めない。
僕は、一瞬大丈夫だろうか?と思い、食べログで検索してみた。
すると…。
適当なのがデフォルトのようだw
僕は、「この店の店主は、きっと、細かいことにこだわらないのだろう」と考えることにした。
まぁ、そういった店の方が、昭和の町中華っぽくていい。
食べログでの口コミ評価も悪くなかったから、僕は、この店へ入ることに決めた。
店頭のショウウインドウには、餃子もしっかり展示されていたので、第一関門はクリア。
僕は、3回目の広島訪問にして、初めて餃子を味わえることが嬉しくて、ワイルドに掲げられた、のれんをくぐった。