4月10日。宇多田ヒカルの最新アルバム『SCIENCE FICTION』が発売された。
デビュー25周年にして、初のベストアルバムということもあり、もちろん、売れに売れている。
初週で17.2万枚を売り上げ、オリコンでも初登場1位を記録した。
僕は、宇多田ヒカルの熱心なファンではないのだけれど、もちろん、この1位は納得だ。
「Automatic」 で衝撃デビューを飾った1998年以降、大ヒットを連発。
そんな曲たちが多数収録されているだけでも凄いのに…。
26曲の収録曲のうち3曲はこのアルバムのために新たにレコーディングし直され、10曲は新たなミックスバージョンで収録。
また最新シングル「何色でもない花」に加え、書き下ろしの新曲1曲も収録。
25年間のキャリアを支えてくれたファンへの感謝と、常に自身の創造性をアップデートし続ける宇多田ヒカルのアーティスト性を浮かび上がらせた、まさに25年を経なければ創り得なかったアルバムです。
25年間の「宇多田ヒカル」史を熟成させた渾身の内容。
売れるに決まっているではないか。
そんな記念すべきアルバムのタイトルが、なぜ、『SCIENCE FICTION』(いわゆる「SF」)なのだろう。
このアルバムの発売が告知された昨年末から、僕はそれがちょっと気になっていた。
その疑問を解決してくれたのは、なんと、『SFマガジン』誌だった。
僕が、子どもの頃から愛読しているSF専門誌に、宇多田ヒカルが登場。
『SCIENCE FICTION』発売記念の特別対談として、小川哲との対談が組まれ、そこでたっぷりと語ってくれているからだ。
小川哲は、SFマガジンデビュー以降、大活躍を続け、若くして直木賞まで受賞。今や、SF界を背負うトップスター。
音楽界とSF界の頂点に立つ2人の対談だから、注目せずにはいられない。
表紙を開くと、いきなり2人の写真が登場。
いやぁ、爽やかな笑顔だなぁ…。
対談内容も、実に興味深いものだった。
ベストアルバム『SCIENCE FICTION』のタイトルの由来は、まさに、宇多田ヒカルが、SFファンだったことによるもの。
この対談では、宇多田ヒカルの「SF愛」「物語愛」がたっぷりと語られている。
ファンならば、絶対に見逃せない内容だろう。
ふたりは、ほぼ同世代(小川哲の方が3歳下)ということもあり、話も弾む。
この対談は、『SFマガジン』誌でなければ実現しなかった企画だし、『SFマガジン』誌で実現したことに大きな意味がある。
企画立案者に喝采。
ビッグ対談効果か、この『SFマガジン』誌も売れに売れている。
昨日発売になったばかりなのに、オンライン書店は軒並み売り切れ。
amazonでは、すでに、ボッタクリ割高価格のマーケットプレイス在庫になっているので、注意したい。
SNS情報を確認すると、まだ大手書店などの店頭在庫は残っているようだから、気になる人は、店頭で、早めのゲットがオススメだ。