一昨日の夜明け前。
僕は、久しぶりに荒川河川敷へ繰り出した。
荒川河川敷は、僕のホームコースのひとつで、毎週のように出かけていたこともある。
しかしここ数年は、その回数も減り、おまけに、この夏の骨折もあって、すっかりご無沙汰に。
今回は、5月のミストラン以来、約半年ぶりの往訪となった。
河川敷に行くきっかけとなったのは、整形外科での診断結果。
先週、いつもの先生から、「圧迫骨折部位も固まってきたため、ハードコルセットから、ソフトなコルセットベルトに切り替えても良い。」という許可が出たのだ。
オーダーメイドのハードコルセットは、上半身を完全に束縛するので、まともに走ることなどできない。
ウォーキング中に少しだけ走ってみたこともあったが、どうにもこうにも窮屈で、すぐにまたウォーキングに戻さざるを得なかった。
コルセットベルトであれば、そんな不自由からも逃れられる!
ならばやっぱりちょっと走ってみたい。この機を逃すまい。
やおら僕は、先生に、「軽くランニングしても良いですか?」と尋ねた。
先生は、「今はまだウォーキングの方が良いですが…」とは言ったものの、「様子を見て、少しずつならランニングをしてもいいでしょう。」と認可してくれた。
僕は、常日頃から先生に、自分がランニング好きであることを訴えているため、無理矢理《認可させた》感は否めない。
しかし、認可は認可だ。
ということで僕は、どうせ走るなら最高の環境を…思い、河川敷に繰り出すことにしたのである。
無理が禁物、なのは自分でもよくわかっている。
折角骨折が治りかけているのに、無理して走ってまた悪化させたら元の木阿弥だ。
だから今回の河川敷では、痛みが出たらすぐにやめることを前提に、リハビリジョグを行うことにした。
午前5時過ぎ。
夜明け前の河川敷はまだ闇に包まれていたが、遠くの空は赤みがかってきていた。
僕は、恐る恐るゆっくりと走り出す。
そんな僕の背中を、強い風が後押ししてくれた。
気がつくと、キロ6分台前半のペースに。
スロージョグのペースではあるけれど、8月末に骨折して以来、出たことのないスピードだった。
でも、幸い腰は痛まなかったし、全く無理をしていなかったので、僕は追い風に身を任せて脚を進めた。
超久しぶりに味わう、爽快なランニング気分。最高だ。
…と、良かったのはここまでw
3km程度進んだ頃、「ロングランはまだ早い。そろそろ戻らないと」と思って折り返した瞬間、幸福な気分が暗転する。
僕のランを助けてくれた強烈な追い風が、強烈な向かい風に変わったからである。
そんなことは折り返す前から自明の理だった筈なのに、なぜ僕は浮かれて走っていたのだろう。馬鹿すぎだ。
そこから先は本当にキツかった。
身体の痛みこそ起きなかったが、とにかく風が凄すぎる。
下手をすると吹き飛ばされそうになるぐらいの強風。
あとでわかったことだが、その時間の荒川河川敷は風速10メートルとなっており、強風注意報も発令されていた。
気象庁の区分によると、「傘がさせないほどの強風」とのこと。
そりゃぁ、追い風で楽に走れるわけだw
今から考えれば、追い風のままコースアウトして、どこかの駅から電車に乗って帰れば良かったのだけれど、そのときの僕は、全く思いつかなかった。
しかし…。なんとかここまで、這々の体で帰還。
結果的には、トータルで7kmを走ることができ、キロあたりのスピードは6分41秒。
もちろんとても遅いのだけれど、リハビリジョグとしては上々だ。
ただ、翌日曜日は、ちょっとまた、腰に痛みが出てきたため、ランニングは自粛。
やっぱり、今の僕に7kmはちょっと走りすぎだったのかもしれないなぁ…。
本格的なランニング再開までには、まだちょっと時間がかかりそうだ。