餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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荒川河川敷「吹雪」ランで味わった地獄

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小池都知事から、外出自粛要請が出た週末。

不要不急の外出を控えて欲しいという要請ではあったが、別途、都の実務担当者から、「健康維持目的のランニング、ジョギングについては問題ない」というコメントが発表されていた。

そう言えば、数週間前に、北海道で外出自粛要請が出された際、鈴木知事は、このようなコメントを発表している。

「 散歩やジョギングはそもそも感染リスクが低いとされている」と話し、これらについては自粛を求めない考えを示した。

北海道知事、今週末は外出控えて 散歩やジョギングは自粛求めず

そう。

だから、ランニングについては問題ないのだ。

もちろん、集団で走る《ランニング大会》となると事情は異なってくるが、ひとりで走る分には、全く問題ない、筈。

僕は、もともとひとりで毎日走っていたので、それができなくなってしまうと、逆に不健康になってしまう。

ということで、僕は、先週末も勿論走るつもりだった。

ただ、土曜日に計画していたバースデーランが、突発的な抜歯に伴い、自粛せざるを得なくなったため、僕は、日曜ランでのリベンジを誓った。

日曜日の東京は、朝から雪が降っていた。

午後からは止むという予報も出ていたが、僕は、むしろ「雪が降っているからこそ」走りたかった。

僕は、雪道を走るのが大好きだからだ。

6年前。東京にドカ雪が降った日。僕は、この荒川河川敷に出かけて、新雪ランを堪能した。

いやはやこれが、本当に、最高に楽しかった。

アシックスの《雪道用》トレーニングシューズである、スノーターサーが大活躍してくれた日で、僕は、その素晴らしさを存分に味わったことを思い出す。

その後も僕は、雪が降り積もるたびに、スノーターサーを装着しては、走っていた。

ただ、東京で雪が積もるのは、年に1回か2回しかなかったし、今シーズンは全く積もることがなかった。

だから僕は、今年の冬はスノーターサーの出番はないなぁと諦めていた。

しかし、まさか3月末になって、こんな雪が降るとは。

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朝、ちょっと買い物に出たら、こんな状況になっていたため、僕は、もう「走るしかない!」と決意。

ということで、気がついたら僕は、ここに佇んでいた。 

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僕のホームコースのひとつ。荒川河川敷だ。

アスファルト上では、まだ雪が積もってはいなかったけれど…。

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芝生部分や看板などには、かなりの雪が降り積もっていた。

天気予報では、午前11時から午後1時にかけて大雪になるという予報になっていたため、僕は、ワクワクしながら走り始めた。

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気温は、摂氏1℃。

かなり冷え込んでいたけれど、僕は、雪の中を走れる喜びが優り、そんなに寒さを感じなかった。

この日の僕の計画は、10kmラン。

週末ランにしては短い距離だったが、あくまで「健康維持目的の」ジョギングだから、それぐらいで十分だろうと思った。

北赤羽から、新荒川大橋下を通過して、岩淵水門~江北橋下あたりで折り返す。それが、昨日の僕の皮算用だった。

走っているうち、雪の勢いはどんどん強くなっていく。

岩淵水門を抜けるあたりからは、アスファルト上にも、微かに積もり始めており、ファインダーにも雪が降り注ぐようになった。

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視界が悪く、カメラを取り出すたびに手袋を外さなければいけないため、指が冷たくなってきたが、まだ、気持ちには余裕があった。

僕は、スノーターサーの性能を十分に発揮させたかったので、「もっと降ってくれ、積もってくれ!」と願っていたほどだ。

ここからは、あと2km進んで引き返してくればいいだけだし、余裕も余裕。そう考えていた。

北赤羽から5Km地点に到達。

さらに強まる雪の中、僕はUターンして、元の道を引き返すことにした。

その瞬間、僕は、自分が大きな誤りを犯していたことを知る。

僕の身体に、猛烈な勢いで雪が吹きつけてきたからだ。

いやはや、冷たい、痛い。つらい。あまりに勢いが凄すぎて、前に進めないくらいの、吹雪。

そして僕は、ようやく、ここが河川敷であることを思い出した。

荒川河川敷は、もともと風の影響を受けやすいコースで、強風でマラソン大会が中止になることもあるほど。

強風の厄介なところは、「追い風の時は恩恵が実感できないのに、向かい風になると牙をむき出す。」こと。

僕は、長年の河川敷ランで、それが十分わかっていた筈なのに、どうして、雪の日に走ろうと思ったのだろう。

そう。

昨日僕が、降雪中にもかかわらず、行きの5Kmを意外と楽に感じたのは、追い風だったからなのだ。

強い風が僕の身体を押してくれたおかげで、僕はスムーズに走ることができていた。

だから、それが逆になったらいったいどうなるか。

まさに、地獄だった。

雪の勢いも、風の強さも、この時間がピークだったようで、僕は、体じゅうに氷の散弾銃を受けているような感じだった。

僕なりに防寒をしていたつもりではあったが、完全装備の防水スタイルではなかったため、身体の中にまで雪が入り込んで、僕の体温を奪う。

もはやランニングどころじゃない。健康維持どころか、生命維持ができなくなるんじゃないかと思うぐらいのつらさ。

しかも、最悪なことに、荒川と新河岸川に挟まれた道を走っているため、逃げ場もない。

人っ子ひとり歩いておらず、ここで倒れたら一巻の終わりだ。

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雪は積もり始めており、アスファルト上には、僕の足跡だけが残っていた。

身体は冷え切っていて、一刻も早く先に進まなければいけなかったのに、なんでこんな写真を撮っているのだろう。バカすぎる。

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岩淵水門に到着。ファインダーにも、猛烈な雪が吹きつけてくる。

ここから新荒川大橋まで、あと1km。僕は、まさに地獄を味わいながら、這々の体で歩みを進め…。

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河川敷を脱出。

そこから先のことは、正直あまりよく覚えていない。

コンビニに駆け込んで、トイレを借りて着替え、店内で、暖かいミルクティーを飲んだが、それでも頭は朦朧として、しばらく手も痺れていた。

ひょっとすると、低体温症にかかっていたかもしれない。

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結果的には、8Km程度のラン。

最後は歩きまくっていたし、何の練習にもならなかったが、無事に帰還できただけで、僕はホッとした。

僕のランニング人生の中で、これほど苦しいランがあったろうか。

もしもこれで、風邪でもひいていたら、「バカじゃないか」と石を投げられそうな愚行だ。

健康維持のランニングであれば、もう少し、走る環境を選ぶ必要があるなぁ…。

反省。


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