その店は、ジュネーブ中央駅のすぐ近くにあった。
店名などはよくわからなかったが、この色彩は、間違いなく中華料理店だ。
近づいてみると、「京宴 Pékin Palace」という名前であることが判明。
そして、正面のガラスに貼られていた、中国語のメニューの一覧を眺めてみると…
「鍋貼」があった!
鍋貼とは、中国語で焼餃子のこと。僕は、まさにそれを探し求めていたので、安住の地を見つけた気分。
ということで…。
ジュネーブで餃子難民になりかけていた僕は、もちろん、この店で餃ビーをすることに決定。
店舗は地下にあるようだったので、僕は、階段を下りていく。
入店。
外入口の雰囲気から、コンパクトな感じの店かと思っていたのだけれど、実際は、かなり広かった。
おそらく50人以上は入れるんじゃないかと思う。
店の奥では団体客が入っていて、大いに賑わっていた。
まずは、何はともあれビールを注文。
ASAHIスーパードライの瓶が、5.5CHF(約600円)だったので、「あれ?スイスにしては意外に安い」と思い、それに決めた。
出てきて、納得。小ビン(334ml)かぁ…。
ただ、一緒に大量のピーナッツ(無料)もついてきたので、それを考えると悪くない。
何しろ、マックのハンバーガーが1,000円近い価格だし、ガリでさえ270円もする国だから、むしろお得なんじゃないかとさえ思った。
地元で人気のようだし、この店は、結構コスパが良いのかもしれない。楽しみだ。
僕は、もちろん鍋貼を注文。
これは、4個で12CHF(約1,300円)もしたので、それなりのものが出てくるだろうと期待していた。
ということで、ピーナッツをアテに、15分程度待っていると…。
「鍋貼」が出てきた!
第一印象は、「うわっ、小さい」と思ったのだけれど…。
iPhone SEと比べてみても、やっぱり小さかったw
メニュー上では4個の筈が、5個あったのは、店側のミスなのか、観光客用のサービス(?)なのかはよくわからないけれど、それにしても、1個あたり260円。
これは、じっくりゆっくり味わう必要があるなぁと思った(^^;
囓ってみる。
うん、悪くない。肉の味わいがしっかりするし、皮のカリカリ感ともちもち感もあって、中国の、手作りのしっかりとした餃子という印象。
これでもう少しサイズが大きければなぁ…。
そんなことを思いながら、皿の隅に目をやると、胡麻ダレ風のタレがついていた。
水餃子に胡麻ダレというのはよくあるが、焼餃子では珍しいのではなかろうか。
果たしてこの餃子に合うのかなぁ、と思いながら、つけてみると、これは胡麻ダレではなく…。
マヨネーズだった!
正確に言うと、「マヨネーズそのもの」ではなく、「マヨネーズ風のタレ」という感じだが、少なくとも、胡麻ダレよりは、完全にマヨネーズ寄り。
そしてそれが、この餃子には最高にマッチしていた。
僕は、格段に美味しくなった餃子に舌鼓を打ちながら、気をよくしてビールを追加注文。
今度は生ビールを選択し、加えて、料理も追加。
次に僕が選んだのは、韭菜盒子。僕の大好きな中国料理だ。
ニラ玉入りお焼きのことなのだけれど、ちょっと大きな焼餃子と考えてもらってもいいと思う。
値段も値段だし、今度はそれなりのサイズで出てくることを期待して待っていると…。
韭菜盒子、登場!
再びiPhone SEと比較。
1個の大きさは、iPhone SEと変わらない感じなので、今度はなかなかボリュームのある餃子(類)だ。
こちらは、マヨネーズタレがついていなかった。
この料理は、具がニラ玉だから、味はしっかりついている筈で、だから、タレは不要なのだと思う。
ぎっしり詰まったニラ玉と、カリカリ皮の相性が抜群。
皮にもしっかり味がついていて、噛みしめるたびに嬉しくなる、そして、ビールに最高に合う料理だと思った。
ジュネーブマラソンの余韻に浸りながら味わう、至福の餃ビータイム。
あまりに嬉しかったので、僕は、さらにビールを追加してしまったほどだ。
値段のことを考えなければ…いや、スイスはどこで食べても高いので、値段を考えても、素晴らしい店だったと思う。
この店に出会えて、本当に良かった。
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