ジュネーブのスーパーで、市場調査を終えた僕は、そのまま街に繰り出した。
ただ、ちょっと難航。
僕は、「焼餃子で餃ビー!」という気分になっていたのだけれど、あいにく、 これといった店がすぐに見つからなかった。
ジュネーブで中華、さらに焼餃子があるというような検索条件*1は、ちょっとハードルが高いのである。
しかも僕は、ジュネーブマラソンレース当日で、とても疲れていたため、歩き回るのは避けたかった。
なにしろ、レースが終わるや否や、ホテルに帰着して爆睡したほど、ヘトヘトだったからだ。
そもそも、外出さえも億劫だったが、餃子ランナー的使命感(どういう使命だよw)で、僕は餃子探しに努めた。
さまざまな条件制約を踏まえて、僕が辿り着いたのは、ここ。
Wasabi(わさび)という店だった。
Sushi Bento Barと書かれているように、メインは寿司のようなのだけれど、その他に、各種丼ものや和菓子、そして、餃子も扱っていると、紹介されていた。
要は、海外によくありがちな「なんちゃって日本料理店」ということなのだろう。
入店してみる。
店内はこんな感じ。壁には、沢山の寿司ネタが展示されていた。
ショーケースには、出来合いのものが並んでいる。
1パックあたり、14.00CHF(約1,500)円。
この内容で1,500円は高すぎると思うかもしれないが、そうでもない。
ここスイスは、外食の価格がとてつもなく高いからだ。
何しろ、マックのハンバーガーが9.40CHF(約1,000円)!もする。
そう考えると、この価格は、むしろお手頃ではないかと思えてしまう。
チラシ寿司は、刺身よりもアボカドの存在感の方が大きい。
ここまでアレンジされると、既に日本料理とは言えない気がする。
まぁ、でも、アボカドは、カリフォルニアロールなどでもお馴染みの寿司具材。きっと合うのだろう。
寿司の握りと一緒に、どら焼きや大福がおいてあることにも驚いたが、この日、一番僕がびっくりしたのは、これ。
2.50CHF(約270円)のガリ!
ガリって、寿司のおまけについてくるもんじゃなかったのか…。
しかも、結構売れているようだったので、尚更驚愕。
いやぁ、ほんと凄いなぁ、スイスの外食は。
その他、うどんなどについては、店員に注文すれば作ってくれるようだ。
イートイン(For here)、テイクアウト(To go)ともに可能で、気楽に注文できるという点では、いい店なのかもしれない。
と。
餃子だ、餃子。肝心の餃子はどこにあるのだ。それも店員に注文して作ってもらうのだろうか?
などと考えていると、寿司ショーケースの反対側に、ホットコーナーがあることを発見。
そこには、焼鳥や焼売、丼ものなどが並べられており、そして…。
焼餃子もあった!
POULETとは、フランス語で「鶏」という意味のようなので、GYOZA POULETだと「鶏餃子」ということになる。
フランス語圏でも「GYOZA」で通じるというのは嬉しいが、鶏餃子というのは、ちょっと変化球のようにも感じた。
なぜ、豚ではないのだろう?
それに加えて、僕は、この餃子になんとなく魅力を感じなかった。
造りものっぽくて、僕の餃子レーダー(?)には響かないビジュアルなのだ。
7.00CHF(約750円)だから、スイス価格にしては安いし、ダメ元で食べてみてもいいとは思う。
でも、僕は、どうにもこれで餃ビー気分にはなれなかった。
ということで、僕は、そのまま店を出た。
ガイドブックやWebで調べた限りでは、近隣に餃ビーできるような店はない。
僕は、自分の決断が失敗だったのではないかと思いながら、ぶらぶらと彷徨っていると…。
*1:本格中華の店は、餃子類が蒸餃子のみだったりする場合も多い。