僕は、基本的にズボラで出不精。
だが、「ボヘミアン・ラプソディ」を楽しむためならば、どこへでも行く。
昨年11月の公開以来、僕は、都内各所の映画館を渡り歩いた。
この映画は、できる限り「大画面」かつ「いい音響」の設備で見るべきだと思っているので、その点は特にこだわった。
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お台場ユナイテッドシネマ(SCREEN X&サウンドアゲアゲ上映)
とにかく、何度見ても面白いし、画面の英語字幕と一緒に歌える応援上映形式には、さらに嵌まった。
そんな僕の感動は、5回目にして、頂点に達する。
立川シネマシティで「満を持して」実施された、このライブスタイル上映が、超絶のひとこと。
それまで見てきた上映方式が全て吹っ飛ぶほどの素晴らしさで、僕の長い人生の中でも、十指に入るぐらいの感動体験だった。
だから、その1週間後に実施された《追加公演》も、熾烈なチケット獲得競争を勝ち抜いて参加。
僕はそれを、心から堪能した。
これが毎日上映されるのならば、立川に移住したいとまで思ったほどだw
再度の《追加公演》は、今週、明後日2/1に開催されるが、僕はこれに参加できないことが確定していたため、先週はちょっと落ち込んでいた。
が、すぐに気を取り直した。
以前から気になっていた映画館、川崎のチネチッタで、《スタンディングOK応援上演》なるものが上映されるという情報を得たからだ。
チネチッタは、LIVE ZOUNDと呼ばれる、首都圏でも有数の音響施設を自慢としている。
僕は、以前からこれを体験してみたかった。
それが、他ならぬクイーンの音楽で味わえるなら、最高だと思った。
クイーンのサウンドを「完璧に」堪能したいのであれば、まずは、余計な音の入らない通常上映で見るべき、という気もしたけれど、その点は、いったん割り切ることにした。
素晴らしい音響にひたすら身を委ねるのもいいが、やっぱり一緒に歌いたい、叫びたいという思いが勝ったのである。
ただ、その応援上映方式に関しては、少し気になった。
立川シネマシティのライブスタイル上映は、この映画のことを「わかっている」劇場スタッフによる《独自ルール》が素晴らしく、だからこそ、あれほど感動的な体験が得られた。
あの一体感と昂揚を知ってしまった今、「普通の」応援上映では、不満が生じるのではないか、ということだ。
ということで、チネチッタWebサイトで詳細を確認してみると…。
サイリウム(ペンライト)の利用は、禁止。上映中のうざったいツッコミなどについても、一応の抑止がかかっていた。
応援上映にあたり、僕が特に気になっていた2点は、とりあえずクリア。
立川シネマシティでの大成功を受けて、応援上映スタイルにも《新しい流れ》が生まれつつあるようだ。
ということで、先週末、僕は、やおら川崎への遠征を決めた。
僕が目指した映画館、チネチッタは…。
「ラ チッタデッラ」と呼ばれる区画内にあった。
ここは、イタリアのヒルタウンをモチーフに作られたということで、洒落た街並みが印象的。
ただ、僕は、そんな街を堪能している時間はなかったので、すぐに映画館内へ。
さぁ、いざ7回目の「ボヘミアン・ラプソディ」だ!
LIVE ZOUNDを、クイーンミュージックで体験できる幸せ。
胸が躍る。
入口には、スタンディングOK応援上映に関する注意書きが掲示されていた。
Webサイトでの案内通りに、禁止事項がしっかり明示されており、ひと安心。
立川シネマシティ同様、劇場スタッフによる、前説もあった。
ただ、立川と違って、スタッフは緊張気味。
注意書きの台本を棒読みといった感じで、ジョークを言う余裕などない。
かけ声の練習時も、一生懸命やりました!という感じで、観客の反応も今ひとつだった。
場内の一体感という点においては、立川と比べものにならない雰囲気だ。
僕は、少しだけ不安になった。
と。ここで観客からスタッフに質問があった。
「スタンディングは、最後のライブエイド部分以外でもOKなんですか?」
との旨。
この部分は、僕もちょっと気になっていたので、スタッフからの回答を待つと…。
「はい、途中でも、ライブシーンの時は、立っていただいて構いません。」
とのことだった。
これは、僕にとって初めての経験となるため、どういうことになるのか…ちょっと不安な思いも抱いた。
観客の一体感が今ひとつの雰囲気だったから、皆それぞれ、適当なタイミングで、思い思いに立ったり座ったりされたらイヤだなぁ…と思ったのである。
しかし、それは杞憂に終わった。
上映前、なんとなく、《あったまっていないなぁ》と感じていた場内の雰囲気も、20世紀フォックス・ファンファーレ(クイーンバージョン!)が流れると、一変。
万雷の拍手が起こり…1曲めの「愛にすべてを」から、皆、声を合わせて歌い始めた。
そうだよ、これ、こうじゃなくちゃ、と思いながら、僕も、もちろん一緒に合唱。
気になっていた、ライブシーンでのスタンディングも、意外とスムーズだった。
皆、ライブのシーンが始まったとたんに立ち上がり、終わるや否やすんなり着席。
ということで、映画鑑賞にあたっての障害はなかったが、乗り切れない部分もあった。
ライブシーンは、それぞれ短いながらも頻繁にあるため、立ったり座ったりが、ちょっと億劫に感じたのだ。
また、シリアスなシーンも多い映画なので、その余韻が、スタンディングで分断されてしまうのも、少し気になった。
だから、個人的には、途中のライブは着席で、最後のライブエイド部分だけスタンディングする、立川方式のほうが好み。
ただ、「We Will Rock You」のライブシーンは、スタンディングならではの盛り上がりで、僕も、大興奮、大絶叫した。
これができただけでも、今回、参加した価値はあったと思う。
ライブエイドの部分は、もちろん大いに盛り上がったし、それは、エンドロールの「Don't Stop Me Now」まで続いた。
最後、「The Show Must Go On」では、立っていた観客たちが、皆、座ってしんみり歌っていたのが、印象的。
これも、立川方式とは異なる点だった。
「The Show Must Go On」のバックに、ライブシーンはない*1ため、ルール上、座っただけなのかもしれないけれど、でも、この曲は、確かに、座って聞いた方が心に染み入る。
僕は、ライブエイドの余韻に浸りつつも、切なさがこみあげてくるのを感じていた。
やっぱり、本当に、心から「ボヘミアン・ラプソディ」は最高だ。
*1:「Don't Stop Me Now」では、本物のクイーンライブ映像が流れるため、《ライブシーン》と言えなくもない。