ベトナム・ホーチミンの中心地。
統一会堂ランニングコースから、500mほど歩いたところに、それは堂々と存在していた。
ベンタイン市場。ホーチミンシティ最大のマーケットだ。
今回、僕は、約20年ぶりに訪れたのだけれど、場内の雰囲気は、あの頃と全く変わっていなかった。
時刻はまだ朝の8時台だったが、多くの人たちで賑わっており、もの凄い熱気。
場内を歩いていると、あちこちで声をかけられる。
「コンニチハ」「ヤスイヨ、ヤスイ」「5マイ、センエン」…等々。
衣類や雑貨類店員の客引きだ。
これらの商品は、非常に高い観光客価格となっているため、もしもお得に入手したければ、根気よく値切り交渉をする必要がある。
僕は、交渉をする気力もなく、そもそも、そういったものを購入する予定もなかったので、スルー。
場内には、フードコートもあった。
沢山の店が並んでいたけれど、料理については、ほぼ同じようなラインナップになっている。
僕はこの日、友人と朝ランを終えたところで、ちょうどお腹も空いていた。
麺類などは、どの店も50~60Kドン(約250円)。
外の屋台などよりは、若干高いのかもしれないが、法外とも思えない。
ということで、僕らは、ここで食事をすることにした。
数あるメニューの中から、僕の目に留まったのは…。
餛飩面。
そう、ワンタンメンだ。
僕の知っている料理と、漢字は異なっていたけれど、ビジュアル的には間違いなく雲呑麺。
餃子ランナー的に、やっぱりこれは見過ごせない。
雲呑と言えば、餃子の仲間。少なくとも、手羽餃子などというマガいものよりは、断然、餃子的な食べ物だからだ。
ということで僕は、もちろんこれを選択した。
料理が出てくるまでの間、友人と、サイゴンビールで乾杯。
ちょっとぬるめだったのが残念だったけれど、でも、喉の渇きを癒やしてくれた。
そして…。
餛飩面、登場!
面(麺)の上に、たっぷり載った香草の彩りが美しい。
スープには、沢山の餛飩(雲呑)が入っていた。
囓ってみる。
美味しい!
柔らかくて滑らかな皮。そして、豚肉と海老の具。これはまさにワンタンだ。
この料理には、ワンタンの他に、茹でられた豚肉も入っていて、ボリューム十分。
あっさりしたスープに浮かぶ香草は、極上のアクセントになっているし、フライドオニオンがこれまた絶妙。
それぞれの具が、完璧なバランスで成り立っている、最高の餛飩面だ。
たっぷり食べて、ビールも飲んで、1人あたり日本円で400円程度。
いやぁ、安い。
アフターランの食事としては申し分なく、僕は、大いに満足した。
エネルギーもたっぷりとったし、さぁ、ホーチミンの街に繰り出そう。
(以下、続く。)