おぃ!語彙力を何とかしろ!と言われそうなタイトルになってしまった。
しかし僕は、本当に「すごい」ものに出会うと、ただ「すごい」としか言えなくなってしまうのだから仕方ない。(ヒラキナオリ)
それぐらい、今年の《このミス》は素晴らしかったのだ。
国内&海外のミステリー小説ランキングベストや、人気作家たちによる「私の隠し球&特別エッセイ」といった恒例の企画は、今回も読み応えがあった。
それに加えて今年は、特別企画が実に充実している。
誌面の巻頭を飾るのは、「名探偵コナン」の連載30周年を記念した特別対談。
3年前のこのミスでは、コナン作者の青山剛昌先生ロングインタビューが掲載されていたが、今回は東野圭吾先生との対談となった。
なんと、17ページにもにわたって、さまざまな話が繰り広げられている。
ガリレオシリーズはじめ、東野作品に関するエピソードも多数掲載されているので、コナンファンのみならず、東野圭吾ファンも必読だ。
僕は東野圭吾先生の大ファンで、文庫化されている作品はほぼ全て読んでいる。
だから、ここで語られている内容は、興味深いものばかり。
今年のミステリランキングで上位に入った、最新作「あなたが誰かを殺した」についても語られており、これは早く読まなければなぁ…と思った。
今年「地図と拳」で直木賞を受賞した、今をときめく小川哲さんも登場。
なんと、QuizKnock(クイズ系トップYouTuber)きっての知性派、河村拓哉さんとの対談だ。
小川哲さんは、超大作だった「地図と拳」に続いて、「君のクイズ」という作品を発表。
「地図と拳」とは全くベクトルが異なる、クイズをテーマにした、異色のライトミステリーで、僕が大いに痺れた本だ。
この本も、今年のミステリベストで入賞したことにより、今回の豪華対談が実現した。
僕がこよなく愛するQuizKnockにおけるブレーンである河村拓哉さんと、小川哲さんとの対談となれば、感激しかない。
いやはや本当に素晴らしくて、僕はまた「君のクイズ」を読み直したくなった。
作家生活30周年を迎えた、京極夏彦先生のカラーインタビューも掲載。
今年、17年ぶりに刊行された、百鬼夜行シリーズの最新作「鵺の碑」が、国内ランキング2位に入ったことに伴う特集だ。
8ページにも渡るカラー特集なので、京極作品ファンにはたまらない筈。
僕はこれまで京極夏彦作品はあまり読んだことがなかった(あの分厚さが…)のだけれど、やっぱり、このシリーズだけは読んでみなくちゃなぁ…と思わせる内容になっていた。
そんな京極作品を抑えて、国内ランキングでダントツ1位になったのは、この作品。
米澤穂信先生の短編集「可燃物」だ。
僕は、先月これを買ったばかりで、積ん読になっていたのだけれど、まさか、ここまで評価が高い本とは思わなかった。
慌てて、最初の短編を読んでみたところ、確かに凄いと納得。
今号の「このミス」には、米澤穂信先生のインタビューも掲載されており、それを読むと、ますます、この本が魅力的に感じてきた。
今週末、じっくり残りの作品を堪能させてもらおう。
「このミス」を読み進めるたびに、あれもこれも読みたくなってくる。
読みたい本が多くなりすぎて、嬉しい悲鳴だ。
僕は、1988年に発行された「このミス!」創刊号以来、全ての号を(別冊も含めて)持っており、過去のランキングを確認するたびに、あれもこれもまだ読んでない!と焦っている。
それらを読むのは、老後の楽しみにしようと思っていた。
…が、もう既に老後じゃないかと言われるような年になっている(汗)ので、僕にはあまり時間がない。
過去の年間1位作品は、今年結構読んできたが、今後はもうちょっとペースを上げて、ミステリの沼に溺れようと思っている。