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「マスカレード・ゲーム」読了!東野圭吾《マスカレード》シリーズの前途は…?

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先週末、一気呵成で読了。

東野圭吾の最新作「マスカレード・ゲーム」は、やっぱりとても面白かった。

主人公の新田浩介は、今回の作品で《警部》に昇格しているのだが、その点についてはあまり意味がなかったような気がする。

警部になっても、その役割は、「マスカレード・ホテル」「マスカレード・ナイト」と同じ。

そう。

またしても、「ホテル・コルテシア」のフロント・クラークとして、潜入捜査を行うことになるからだ。

シリーズの読者としては、安心して読めるのが魅力だけれど、この時点では、「またかぁ」と思ったことも事実。

2度ならず3度までも、同じホテルを舞台に、警視庁が大々的な潜入捜査を行うなんてあり得るのか?

やっぱりちょっと非現実的だし、展開がマンネリなんじゃないかという気もした。

しかし、そこは流石に手練れの東野圭吾。

僕のそんな不満(というわけでもないけど)に対して、きっちり《必然性》を示してくれた。

ちょっと強引な展開という気がしないでもないが、まぁ、この展開なら、みたびの潜入捜査も仕方ないのかな…と納得。

いざのめり込んでしまうと、もう、脳内は完全に、キムタクワールドになってしまったw

いや。キムタクだけじゃない。

能勢、本宮、関根、尾崎、稲垣、藤木、久我といった名前が登場するたびに、僕の脳内では、彼らを演じる俳優たちの姿が浮かんできた。

小日向文世、梶原善、泉澤祐希、篠井英介、渡部篤郎、石橋凌、東根作寿英…。

僕は小説を読んでいる筈なのに、頭の中には、「ホテル・コルテシア」の具体的なイメージが浮かび、登場人物たちの声まで聞こえてくる。…気がした。

それほどまでに、このシリーズは、映像とのシンクロ度が高いのだ。

だから、今回の最新作は、小説の面白さを味わえるだけでなく、「映画になったら、こんな風に演じられるだろう」と楽しさも堪能できる。

《マスカレード》ファンにとっては、絶対に読み逃せない作品だ。

…と、これでレビューを終わりにしてしまうと、この作品を未読の《マスカレード》ファンからツッコミが入るかもしれない。

前2作において、新田刑事(キムタク)とともに活躍してきた、ホテル側の主役、山岸尚美(長澤まさみ)はどうなったんだ!というツッコミである。

「マスカレード・ナイト」の結末があんなこと(謎)になったため、今回の「マスカレード・ゲーム」で、山岸尚美を登場させるのは難しいだろうなぁ…と、僕は半ば諦めていた。

しかし、それは僕の見込み違いだった。

少々強引な展開ではあるけれど、あっけなく山岸尚美が登場w

やっぱり、このシリーズは、キムタクと長澤まさみが揃っていてこそ輝くんだなぁと実感した。

今回の作品では、新たな見所もある。

新田警部と対立する役割で新登場する、強烈なキャラクターの梓警部だ。

映画ではいったい誰が演じるのだろう。

個人的には、天海祐希あたりがぴったりだと思うのだけれど…。

作品の内容についても少しだけ(ネタばれにならない程度に)語っておこう。

「マスカレード・ゲーム」本編のストーリーは、それほど衝撃的なものではなかった。

もちろん、東野圭吾作品だから、十分に楽しませてはくれるのだけれど、ストーリー展開や意外性においては、前2作に比べるとちょっと弱い気がする。

ただ、これはシリーズ物の宿命として仕方がない部分はあるだろう。

僕が驚いたのは、事件が解決した《後》の話。

えっ、まさか、そう来るか!と思ってしまったのだ。

この「マスカレード・ゲーム」は単行本につけられた帯に《シリーズ総決算》と書かれているが、僕は大いに納得した。

まさに、この作品はシリーズ総決算であり、「第一部の最終巻」とも言えるからである。

《マスカレード》シリーズは、きっと今後も続くだろうが、次作は、これまでと大きく展開を変えたイメージになる筈。

僕は、今からそれが(次回作の映画化も含めて)大いに楽しみだ。

「マスカレード」シリーズ揃い踏み。

外伝と言える「マスカレード・イブ」を含め、このシリーズは、これまでなんと、累計480万部も売れているとのこと。

今回の「マスカレード・ゲーム」発売で、500万部、600万部突破は確実だろうし、いずれは、1,000万部などというのも夢ではないかもしれない。


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