有楽町線「要町」駅から歩いて3分。
僕は、その店の前まで辿り着き、そしてちょっと驚いた。
店名表記がなかったからだ。
予め、Googleマップで調べてきた位置と合っていたから、ここで間違いないとは思ったものの、そうでなかったら、見過ごしてしまったかもしれない。
店名は、入口の左脇にあった物置のところに、小さく表示されていた。
店の名は「龍栄」。
こう見えて(?)昭和57年創業の、れっきとした町中華の老舗である。
とはいえ、もともとは下落合にあったようで、ここ要町には、5年前に移転してきたようだ。
入口付近は、右脇にも色々なものが積んであって、なんだかとてもごちゃごちゃしている。
僕は、《一見さんお断り》的なムードさえ感じ、一瞬ためらったのだけれど、折角ここまできたのだから、もう後には引けない。
入店。
店内は、テーブル席2つとカウンター席が7つ。
入口のごちゃごちゃ感とはうらはらに、店内は小綺麗で、すっきりした感じだった。
僕は開店10分後に到着したのだけれど、すでに結構賑わっており、ほどなく満席に。
僕が座ったカウンターの前には、いきなり謎のメニューが君臨。
ダヌダヌ麺。
ツール―麺。
サーティー麺。
何の説明もなく、意味不明な言語が並ぶ。
僕は、予め食べログなどで調べていた*1からいいようなものの、そうでなかったら、「なんのこっちゃ」と思うような名前だ。
ダヌダヌ麺とは、「塩ダレに練りゴマ炒ゴマニラもやしを辛しで炒め甘酢など香辛料で味を調えたスープ麺です。」とのこと。
いったいどの部分が《ダヌダヌ》なのかは不明だが、なんだか美味しそうだ。
僕は普段滅多に麺を食べないのだけれど、この店の看板メニューとのことなので、やはり気になった。
ダヌダヌつけ麺などというものもあった。
「町中華で飲ろうぜ」の玉ちゃんは、この「ダヌダヌつけ麺」を食べたようだ。(あいにく未見)
ということで、つけ麺にもちょっと惹かれたが、この日はかなり寒かったこともあり、僕は身体を温めたかった。
それで結局、普通のダヌダヌ麺を注文。
もちろん餃子も外せない。
この店は、餃子にも大きな特色があるのだ。
普通の餃子だけでなく、「ニンニク玉入り焼餃子」というものが存在している。
僕は、大のニンニク好きなので、迷わずこちらを注文。
ニンニク玉入りの餃子は、以前、高田馬場の老舗「餃子荘ムロ」や、那覇の「新茶屋」で食べたことがあった。
でも、それも10年前の話。
だから今回は、本当に久しぶりの《にんにく玉入り》餃子となり、ちょっと楽しみだった。
カウンターには、「町中華で飲ろうぜ」の小皿が置かれていた。
僕は、思わずビールも注文したくなったが、今回は麺類を頼んでしまったので、グッと我慢。
僕のひ弱な胃では、許容量オーバーになる可能性が高かったからだ。
15分程度経った頃…。
ダヌダヌ麺、登場!
僕の脳内には、ユーミンの名曲が突然流れてきた。
ダヌダヌと、ダヌダヌダ、ダヌと~♪
なんかちょっと違うような気もするが、流れてきてしまったのだから仕方ないw
続いて…。
焼餃子も到着!
ちょっと羽根が焦げ気味ではあるけれど、僕は「羽根はいらない」派なので、問題ない。そぎ落として食べればいいだけだ。
この餃子は6個の筈なのだが、6個並んだ上にもう1個(羽根に紛れて)餃子があった。
計7個。
この日が初入店の僕に、おまけをしてくれるとは思えないので、多分1個余計に焼いてしまったのだろう。
なんか得した気分。
ダヌダヌ麺とニンニク玉入り焼餃子の共演。
僕は普段、滅多に麺類を食べないので、こういう構図は非常に珍しい。
餃子にとって、絶対の相棒であるビールがない構図も非常に珍しい。
ただ、この2つを食べきったあとは、お腹がパンパンになってしまったので、ビールを注文しなかったのは正解だった。
麺リフト。
僕は、この作業にあんまり慣れていないせいか、どうも美しくないのはご容赦w
ニラモヤシと挽肉の具は非常にボリュームがあり、さらに、肉団子も埋まっていた。
ダヌダヌ麺全体の印象としては、名前のインパクトほど尖っているわけではなく、ゴマの風味が利いた、旨辛担々麺と言った印象。
写真を撮り忘れてしまったのだけれど、ダヌダヌ麺には、生レモンが一緒についてきていた。
レモンをかけると、なんだかちょっとエスニックな味わいになる。それも良き哉だ。
餃子の中には、ニンニク玉が丸ごとごろっと入っていた。
苦みは全く感じられず、ほくほくして甘く、非常に美味しい。
ニンニク好きにはたまらない餃子だ。
僕はかなり気に入った。
この日の入店客は、皆(僕を除いて)常連客ばかりだったようだが、皆、こぞって、この「ローヒーチャーハン」を注文していたのが印象的。
俗に言う肉あんかけチャーハンのようで、それ自体は特に珍しくないとおもうが、いろいろとカスタマイズできるのが斬新だ。
常連の人たちは、「ローヒー激辛、チーズのっけの大盛り!」などと、呪文のようなセリフをバンバン飛ばしている。
やっぱりここは、マニアックな店なんだなぁ…と思った。
このローヒーチャーハンは、とても美味しそうだったし、ダヌダヌ麺の謎仲間たちである、「ツールー麺」や「サーティー麺」も気になる。
是非ともまた近いうちに訪れたい店だ。
*1:以前のメニュー写真では説明が書かれていた。