餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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僕が「しば漬け」になった日の話

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おとといのエントリーで、僕は、学生時代のバイト経験について書いた。

さまざまなバイト経験について、つらつらと書いたのだけれど、実は、もうひとつ、変わったバイトを経験している。

駅弁製造業務のバイトだ。

このバイトだけは、強く語りたいことがあったので、あえて別エントリーで紹介させていただくことにした。

経験したのは、たった1日だけだったけれど、あまりに印象的だったので、今でも時々思い出す。

それほど、僕にとっては忘れられないバイトになっているのだ。

駅弁製造…と言っても、僕が調理をするわけじゃない。

すでに出来上がった具材を、弁当箱の的確な場所に配置するしていくという仕事だ。

ベルトコンベア上に流れてくる空箱の中に、例えば、《ご飯担当》《鮭担当》《エビ担当》などが、それぞれの具材をひたすら納めていく。

一定時間ごとに弁当の種類が変わり、そのたびごとに、具材の担当者も変わった。

ただ、カツや鮭、エビといった花形具材(?)は、ベテランバイトが担当するらしく、新人はもっぱら、しば漬けとかタクアンとか、脇役具材が割り当てられる。

それでも、食べ物ならばまだいい方で、バラン(食べ物を仕切る緑のプラスチック。緑のギザギザがついている)担当になった時は、ちょっと切なかった。

空箱は次々と流れてくるので、担当者はひたすら無心に同じ具材を入れ続けるだけだ。

いやぁ、これが実につらい。

立ちっぱなしの単純作業だから、ひたすら退屈。

しかも、単に箱の中へ放り込めばいいだけという話ではない。

その場所には、「箱の中でのあるべき位置」が定められているため、それが少しでも異なっていると大きな問題となる。

コンベアの最下流には、その会社の社員と思われるチェック担当者がいて、その配置を厳しく監視。

もしも少しでも基準と違っていようものなら、下流から容赦ない罵声が飛んでくる。

僕らはしがない日雇いバイトだから、いちいち名前なんて覚えてもらってないため、罵声も具材名だ。

「ゴルァ、しば漬け!どこ入れてんだ!!」

「おい、バラン!2枚入ってんぞ。ふざけんな!」

僕は、何度もこんな罵声を食らって泣きたくなった。

「しば漬け」や「バラン」などと呼ばれて罵倒されると、僕の人格さえも全否定された気がして、大いに落ち込んだことを思い出す。

休憩時に提供された食事は悪くなかったし、給料もそこそこ良かったのだけれど、僕は、精神的に耐えられなかった。

流れ作業から解放された途端、もう2度とやるもんかと思ったし、しばらくの間は、駅弁にさえ嫌悪感を覚えていた。

苦い、苦い記憶だ。

今週のお題「やったことがあるアルバイト」


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