時は、先週末に遡る。
僕は、またしても足柄峠を訪れた。
北海道マラソンの悔恨記で書いたように、今の僕は、スピード練習が全くできない身体になっていて、それを補うためには、峠の力を借りる必要があったからである。
足柄峠は、僕の家から決してアクセスのよい場所ではなく、片道2時間以上かかるが、それだけの価値は絶対にある。
僕は、もう、かれこれ足かけ7年も通い続けており、間違いなく、マラソンにおける僕のステージを1つ上げてくれた場所。
だから、ランニングで行き詰まったり悩んだりした時は、迷わず峠と決めているのだ。
僕は、北海道マラソンの2週間前、山の日にも峠走を行っているが、不満足なランになってしまったため、そのリベンジの意味合いもあった。
峠走のランニングステーションとなる山北健康福祉センターは、開館時刻前から、ランナーの行列で賑わっていた。
午前8時半過ぎ。
鉄道公園のSLと、野良猫に見送られながら(?)峠の麓を出発。
中腹の気温は19℃。
ただ、ここから気温がぐんぐん上がって、下りの時に振り返って確認したら22℃になっていた。
この日、僕は、早朝から走ったからまだ良かったが、昼から走った人などはかなりきつかったんじゃなかろうか。
麓から12km走って…頂上の足柄万葉公園に到達!
3週間前と同様、残り3kmは、這々の体で上った。体力もスピードも、やっぱり大きく落ちていることを痛感。
山頂はくっきりと晴れていたので、今日は、富士山が見える!と、思ったが…。
ちょうど富士山のところだけ雲がかかっていた。残念。
一息ついて、さぁ、下りへ。
峠走の素晴らしいところは、上りが本当に苦しい分、下りが「楽に感じる」ことで、さらに、心肺に負担をかけずにスピードを出せること。
…なのだけれど、今の僕は、やっぱり下りのスピードも出せなくなっていた。
下りコースは13km以降。
傾斜10%超の下り坂を駆け下りているにも関わらず、その最高ラップは、キロ4分50秒止まり。
山の日に走った時は、その最高がキロ4分42秒だったので、さらに落ちている。
去年までは、キロ4分を切るラップも出せていたのに、この落ち込みは酷すぎる。いやはやどうにも情けなくて、泣けてきそうだ。
最後のバテ方が少しマシになったので、トータルラップは前回より僅かに良いが、それでもキロ6分を超過。
うーん、これは、根本的にガタがきているのかもしれないなぁ…。
それでも何とか下山。
いつものように、「さくらの湯」で汗を流してみたものの、僕の心は晴れなかった。
心身ともに疲れて、山北駅へ。
時刻は午前11時40分過ぎ。上り方面行きの電車が、あと5分程度で到着する時間になっていた。
御殿場線は非常に本数が少なく、1本逃すと、1時間程度も待たなくてはいけないから、僕は、すぐにホームへ向かう予定だった。
前回の峠走時に感動した国府津の餃子ショップにでも行って、憂さを晴らそうか…と考えていたのだけれど、その寸前で気が変わった。
(以下、続く。)