先週末、土曜日。都内の最高気温が30℃を超え、真夏日になった1日。
僕は、早朝の新宿駅から、この電車に乗り込んだ。
小田急ロマンスカー。特急ふじさん1号。
以前は「あさぎり1号」という名前で呼ばれていた電車だったが、どうやら、この春から改名したらしい。
この電車は、小田急線からJR御殿場線に乗り入れて、松田駅に停車する。
そのため、面倒な「新松田」(小田急)→「松田」(JR)の乗り替えなく、御殿場線に入ることができるのだ。
そして、僕が向かった先は…。
ここだった。
と。この写真だけでは全くわからないかもしれないが、ここは、JR御殿場線、山北駅の麓。
そう、足柄峠走の出発地点である。
僕にとって大事な、大切な練習の場。大好きな足柄峠。しかし、最近は怪我のせいなどもあって、すっかり足が遠のいてしまっていた。
ということで、ここに来るのは、約9ヶ月ぶりのことだった。
去年の秋。
座骨神経痛や、それに伴う練習不足などにより、8月の北海道マラソンでバテバテになってしまったことを受け、僕は、足柄峠に繰り出した。
しかし…。
傾斜10%超の下り坂を駆け下りているにも関わらず、その最高ラップは、キロ4分50秒止まり。
山の日に走った時は、その最高がキロ4分42秒だったので、さらに落ちている。
さんざんな結果…。
僕の一番の弱点は、「スピード不足」で、それを補うための峠走(下り)練習なのに、最速がキロ4分50秒というのは酷すぎる。
去年の秋以降、僕の座骨神経痛症状は更に悪化。
レースでも、DNS*1や惨敗を繰り返す状態になったため、峠走どころではなくなった。
身体が完調ではない状態で、スピード(出ないけど)走になってしまう峠の下りは危険な気がして、そこでの練習を避けていたのである。
しかし、激痛鍼の効果で、最近は何となく痛みも治まってきたため、僕は、久しぶりにここを訪れることに決めたのだ。
久しぶりの峠走ということもあり、ちょっとワクワクした気分もあったが、いざ、走り始めてみると、それが大いに甘かったことを痛感。
上りの途中では、既に息が上がってきた。
久しぶりの急斜面がキツかったということもあるが、それに加えて厳しかったのは、この日の気象状況。
僕が走り始めたのは、朝8時半。麓から、9km昇ったところでの地点での気温は…。
24℃だった。
この時点では、まだ朝の9時台だったというのに、暑い。
足柄峠は、ここから傾斜がさらにきつくなり…。
その斜度は、14%もに達する。
写真で見ると、それほどきつくないように見えるかもしれないが、これが本当につらい。嘘だと思うなら上ってみて欲しいw
僕は、暑さのせいもあって、身体が思うように動かず、ここでは、もう、歩き半分になっていた。
しかし、這々の体になりながら、なんとか…。
足柄万葉公園に到達!
ここからは、天気が良ければ、富士山が見えるのだけれど…。
この日は、雲が多くて見えなかった。残念。
いつもならば、ここを中間地点と引き返すのだが、先週は、もう少し先まで足を伸ばした。
僕が目指したのは、その500m先にある…。
この地点だった。
といっても、実際は、ここまで走りたかったわけではない。この付近の民家に設置されている自動販売機が、僕の目的地w
足柄峠は、上り6km地点ぐらいまでは、頻繁に自動販売機を見かけるが、それ以降は皆無で、この地点まで走らないと、飲み物を購入することはできないからだ。
どの飲料も200円程度する、観光客ぼったくり価格に不満を覚えたが、背に腹は代えられない。
僕は、上りの半ばでミネラルウォーターを買って以降、水分を補給しておらず、そのままの身体で峠を降りていくのは危険だと思ったからだ。
ということで、水を購入。
思いっきり飲んで、そして、身体にも大きく降り注ぎ、内外から乾きを癒やした。
あとは、思いっきり下っていくだけ、だ。
とはいえ、暑さと疲れで、身体は思うように動かなかった。
上りの時に24℃だった気温は…。
26℃にも到達。
僕は、クラクラになりながら走っていた。
下りの過程でも、途中の自販機で水を補給。飲んで、身体に浴びて、飲んで、浴びて。その繰り返しで、何とか足を進めた。
結果…。
なんとかゴール!
キロあたりのペースは6分10秒かかっていて、昨秋よりも7秒遅い。
しかし僕は、大きな手応えを感じていた。
前回峠走時は、足柄万葉公園で引き返したため、今回の方が1km長い。さらに、なんと言っても気温が違う。
Garminが記録してくれている、ゴール時(?)の気温は、27℃。前回は18℃なので、雲泥の差と言っていい。
今回は、自販機でのロスタイムも多々あったので、そう考えると、断然いい走りに思えた。
それが僕の、単なる印象論でないことは、ラップタイムが教えてくれた。
おぉ、4分17秒台が出ている!
前回の最速ラップタイムは、4分50秒だったので、それよりも30秒以上早い。
全盛時(?)は、キロ3分台で走れていたから、それに比べるとまだまだだけれど、最悪の状態は脱した、と思う。
あぁ、足柄峠まで赴いて良かった。
暑さのせいもあって、本当に疲れたけれど、その分、大きな復活の予感、手応えを感じている。
大阪マラソンも当選することができたし、さぁ、この秋は逆襲だ!
*1:Did Not Startの略。エントリーはしたけれど、何らかの事情で、出走しなかった場合のこと。