餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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作家(そしてランナー)村上春樹ロングインタビュー「いま走ること、書くこと、そして大きなヤカンについて」が素敵だ!

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久しぶりに「Sports Graphic Number」誌を購入した。

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Number(ナンバー)1007「メンタル・バイブル2020」

村上春樹先生のロングインタビューが掲載されていたからだ。

今号は7/16発売だったから、奇しくも、最新短編集である「一人称単数」の発売日と重なったが、インタビューの中に、最新刊の話は一言たりとも出てこない。

このインタビューは、《ランナーとしての》村上春樹像に迫っているからである。

しかし、「走ること」と「書くこと」の関係性についても詳しく述べられており、《作家》村上春樹の考え方についても、知ることができる。

そして、唐突に出てくる《ヤカン》の話がこれまた素晴らしい。こういう感性は、やはり超一流の作家だなぁ…と、僕はあらためて感服した。

《ランナー》村上春樹を語る上で、絶対に欠かせない必読書がある。

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

  • 作者:村上 春樹
  • 発売日: 2010/06/10
  • メディア: ペーパーバック
 

もちろん、この本だ。

5年前。

はてなダイアリーのお題で《人生に影響を与えた1冊》というテーマが出た時、僕は、こんなエントリーを書いた。

この本に出会ったからこそ、僕は、ニューヨークシティマラソンにチャレンジしたのだし、サロマ湖100kmウルトラマラソンへの出場も決めたのだ。

僕は、これ以降も何度も何度もこの本を読み返している。

そう言えば…。

3年前。

最新長編である「騎士団長殺し」が発売された時も、僕は、《ランナー》村上春樹の本を読み直していたことを思い出す。

前述「走ることについて語るときに僕の語ること」とともに、その副読本とも言えるロングインタビューに痺れていた。

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Sports Graphic Number Do号 100人が語るRUN! (Number PLUS)

これは、2011年当時、「Number PLUS」に発表されたロングインタビューだ。

なんと、11ページにもわたって、ランニングと著作について語っている上、ランニングに関する質問に、村上春樹先生が答えていくQ&Aも満載。

この時、村上先生は、まだ50代。だから、発言も、質問の回答もとても生き生きしている。

それから約20年…。

今や、村上先生も、もう71歳だ。

しかし、創作意欲は全く衰えていないし、このインタビューの冒頭でも「ずーっと走ってますよ」と語っている。

ただ…。

今回のインタビューでは、こんなことも語っている。

タイムはどんどん落ちていくわけですから、僕は負け戦を闘っているんです。

あぁ、村上先生も疲れてしまったのかなぁ…と思ったのだけれど、でも、そうではなかった。

《負け戦》を《どう闘うか》ということが重要で、僕はその内容に胸を打たれてしまった。

やっぱり、村上先生は、超一流の作家であり、そして、ランナーなんだなぁということを実感。

村上春樹ファン、特にランナーは、このインタビューのためだけに購入しても損はないと思う。オススメ。

Number(ナンバー)1007号[雑誌]

Number(ナンバー)1007号[雑誌]

  • 発売日: 2020/07/16
  • メディア: Kindle版
 

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