松山の夜は、まだまだ長い。
ノスタルジックな「北山軒」のおでんと餃子に酔いしれた僕は、その余韻を引き摺りながらも、すぐ、次の店へと入った。
それは、当初、1軒目に行こうとしていた店。
「すだち餃子のJiaJia(ジャジャ)」だった。
僕は、もともとこの店を目指していたのだけれど、いざ、店の近くまで来てみると…。
その隣にあった「北山軒」の暖簾にビビッと惹かれたため、まずは、そこに入ってしまったのである。
昭和の町中華という趣だった「北山軒」に対して、「すだち餃子のJiaJia(ジャジャ)」は、若向きと言った印象。
なにしろ、ジャジャなんて言われても、オジサンにはさっぱり意味がわからない。
そもそも、意味なんてないのかもしれないけどw
店の入口には、メニューが掲示されていた。
「餃子屋」というよりは、餃子を目玉とした居酒屋、といった感じだ。
訪問前に想像していたイメージとは、ちょっと違っていたのだけれど、ここまで来たら、後には引けない。
ということで、とりあえず入店。
カウンターに座り、あらためて、メニューを眺めてみる。
麺類、チャーハンなどの他、おつまみ系も揃っている。
ただ、僕はこれらのメニューには目もくれず…。
もちろん、「すだち餃子」を注文することにした。
《とり皮餃子》などという文字も目に入ってきたが、僕はその存在を餃子として認めていないので、もちろん無視。
とりあえず、すだち餃子の単品&ビールにしようかと思ったが、すだちセットと価格があまり変わらないので、お得なセットにした。
すだち餃子は、ニンニク有とニンニク無を選択できたため、僕は、ニンニク有をチョイス。
出てくるまでの間、カウンターから、その中をぼんやり眺めていると…。
謎のメニューを多数発見。
- シークレット?最強のクズ
- 愛情たっぷり、かっちゃん
- 迷った時はこれ!定番 アラジン
- 気まぐれニャンコ 菊ちゃん
- 女性に大人気 巨乳
何がなんだかさっぱりわからない。食べ物なのか飲み物なのかも不明だ。
松山の人は、これで意味がわかるのだろうか。
僕は、その内容が大いに気になったのだけれど、店員に「巨乳って何ですか?」などと聞く勇気は持てなかった。
常連を装って、さらっと「巨乳ください」と言えばいいのかもしれないが、本当に巨乳が出てきたら、対処に困る。
いずれにしても、餃界とは無関係だと思うので、僕は、スルーすることに決定。
そうこうしているうちに…。
このセットが出てきたので、少し心が落ち着いた。
冷奴と枝豆。ビールには欠かせない、定番のコンビだ。
これがもし「最強のクズ」と「巨乳」だったら、きっと、ビールには合わないと思う。
知らんけどw
冷奴は、小ぶりながら濃厚な食べ応えだし、枝豆も塩味がしっかり効いていて、これはビールが進む。
僕は大いに満足しながら、このコンビを味わっていると…。
餃子、登場!
それと一緒に、餃子専用の《すだち》タレが、2種類ついてきた。
店員に聞いたところ、左が「すだちの果汁とお酢」、右が「すだちポン酢と大根のタレ」とのこと。
餃子の具は、鶏肉を使っているようで、淡泊な肉餃子といった味わい。
だからこそ、《すだち》の風味が生きる。
個人的には、すだち風味を強く感じられる「すだちの果汁とお酢」が気に入ったが、「すだちポン酢と大根のタレ」も合うし、そしてどちらも、ビールには抜群に合う。
やっぱり、ビールのお供には、巨乳よりも餃子だ。(しつこいw)
僕は大いに満足をして、追い餃子、追いビールをしたくなったが、胃の余力を残すため、グッと我慢することにした。
この日は、どうしても、もう1軒行きたい店があったからだ。
(以下、続く。)