その日、僕は大いに満足していた。
松山市の繁華街・二番町で、立て続けに美味しい餃子を味わうことができたからだ。
おでんと餃子を堪能し…。
すだちで食べる餃子も粋だった。
この日は、土曜の夜だったと言うこともあり、二番町のネオン街はとても賑わっていた。
僕は、そこを歩いているうちに、さまざまな店に心惹かれたけれど、屈しなかった。
2軒を巡って、僕は、お腹がいっぱいになりかけていたから、この日に行けるのは、あと1軒だけ。
となれば、僕の結論は決まっていた。
「ぎょうざ屋」である。
いやはや、何ともストレートでシンプルな店名だ。僕は、事前のリサーチで、この店だけは外せないと思っていたから、辿り着いた時は、ちょっと感激してしまった。
入店。
店内は、とても明るく、気軽に餃子を食べられそうな雰囲気だった。
僕は、カウンターに座り、メニューを眺める。
何はともあれ、とりあえず「ビール」を注文、そのアテには、「激うま塩キャベツ」を頼んだ。
ビールは、生か瓶でちょっと迷ったが、ゆっくり味わいたかったので、瓶を選択。
一番絞りがすぐに出てきた。
塩味の効いたキャベツとは、もちろん相性抜群だ。
餃子のメニューは3種類。
僕はまず、「塩であっさり大葉入り餃子」を注文した。
僕がそれを注文すると、店のお兄さんは、僕の分の餃子を、手際よくちゃっちゃっと包み、さっと焼き始めた。
僕の目の前で、僕のためだけに包んで、焼いてくれる餃子。
そしてそれを、すぐに食べることができる幸せ。いやはやたまらない。
餃子は、小ぶりということもあり、あっという間に焼き上がって、僕の目の前に置かれた。
なんという魅惑的な焼き色だろう。
皮のカリカリ感が、ひと目見ただけで伝わってくる。
こんなん、美味しいに決まってるやん!
僕は、食べる前からそれを確信した。
いやぁ、旨い!
見た目以上にカリカリでサクサク。薄皮の風味が、とにかく絶品。
大葉の爽やかさがいいアクセントになっているし、塩がこれまた最高に合う。
ビールとの相性は申し分なく、これはもう、やめられない止まらない。
ということで、僕は、「旨辛 赤餃子」を追加注文した。
注文直後に、お兄さんは豆板醤を準備。
それを具に挟み込みながら、またしても、僕のためだけに、餃子をちゃっちゃっと包み始めた。
それはまた、あっという間に焼き上がって…。
ビールとタッグを組んだ。
そしてこれも、実に美味しかった。
豆板醤が利いていて、何もつけなくても、十分に美味しい。ピリ辛ということもあって、さらにビールが進む餃子だ。
この日、僕は3軒目ということもあり、これで打ち止めにしたのだけれど、もしも、ここが1軒目だったら、延々と注文を繰り返していたかもしれない。
なにより、注文してから焼き上がるまでのリズムが、とても心地よい店なのだ。
この日訪れた3軒は、どこも最高だった。
松山には、まだ他にも行きたい店があったので、必ず再訪しなければなぁ…と思っている。
できれば、愛媛マラソンとセットで楽しめれば最高。
来年の開催は中止となってしまったが、再来年は実施されるだろうか。