全ランナーにとって、衝撃の発表だった。
昨日駆け巡った、東京マラソン2020の《大会規模縮小》ニュース。
僕も大いに驚いて、メールでその速報を知った時、唖然としてしまったほどだ。
ただ、参加者38,000人予定だった大会が、わずか200人程度の大会になることを、《大幅縮小》という言葉で表現することに、僕は、大きな違和感を覚えた。
また、「一般参加中止」と表現している報道もあるが、東京マラソン自体、開催はされるのだから、「中止」という言葉もなんだかしっくりこなかった。
わかりやすく表現するなら…。
今年の東京マラソンは、こういったエリート選手のみの大会となり、一般参加者は《除外》されたということだろう。
ただ、この決断については、やむを得ない気がする。
東京マラソンは、日本の首都を走る超マンモス大会であり、諸外国からの参加者が8,000人にも及ぶ。沿道の応援者は100万人とも言われており、その影響力は半端じゃない。
新型コロナウィルスが、依然として猛威を振るっており、今後さらに影響が拡大する可能性もある中で、通常通り開催し、日本国内の感染が拡大したら、諸外国からの非難も免れない。
そういった点を踏まえ、主催者側は、レースの位置づけを変更し、いわば「世界陸上」的な大会にした。
だから、苦渋の決断なのだということは理解できる。
が…。
厳しい抽選をくぐり抜けて出場が叶ったランナーや、高いお金を払ってチャリティを行ったランナーの気持ちを思うと、僕はどうにも胸が痛い。
救いは、「東京マラソン2021」の出走権が確保されること。
ただ、返金は一切なく、来年参加する場合は新たに参加費が必要というのは、ちょっとモヤモヤする。
規約に書いてあるなら仕方がないとも思ったが、地震や台風などによる「中止」と異なり、今年の東京マラソンは「開催」されるのだから、腑に落ちない気がしてきた。
数日前の話になるが、中国人ランナーは、今年の東京マラソン出走を辞退すれば、《来年の参加費は免除》と、発表されているだけに尚更。
ただ、この辺りは、今後調整される可能性もありそうだ。
もうひとつ、僕が心配しているのは、他大会への影響。
昨日は、東京マラソンと同日に開催予定だった、三浦国際市民マラソンの「中止」が決定した。
三浦国際市民マラソンは、ガチなランナーにとっては有名な大会ではあるけれど、一般の人には馴染みが薄いだろう。
フルマラソン部門はなく、ハーフマラソンと5Kmをあわせて、13,000人の参加者だから、東京マラソンのような《大都市型マンモス大会》とはレースの性格が異なる。
そんな大会が、まるで東京マラソンの発表に追随するかの如く、中止を決めたことが衝撃だった。
東京マラソンは中止じゃない、のに、三浦国際市民マラソンは、完全に中止。開催の全否定だ。
主催者側として、新型コロナウィルスの影響を総合的に鑑みた上で、中止するしかないと判断したのならやむを得ないけれど、その発表タイミングが微妙すぎる。
三浦国際市民マラソンが中止…となれば、今後、3月以降に予定されている同規模の大会にも影響は必至だろう。
僕は、今後、全てのマラソン大会が「中止」の方向に流れてしまうことを危惧する。
新型コロナウィルスに伴う問題は、まだまだ解決しておらず、今後も広がる可能性さえある。
だからもちろん、軽はずみな発言はできないが、主催者側の方々に、慎重で適正な判断をしてくれるよう、願うばかりだ。