静岡マラソンまで、あと3週間になった、先週末の土曜日。
僕は、足柄峠に繰り出した。
僕が崇拝している、岩本能史先生の「限界突破マラソン練習帳」では、《勝負レース3週前の峠走》を推奨しているからだ。
僕は普段、この練習帳通りの練習がこなせているわけではないのだけれど、でも、やっぱりこの点だけはこだわりたかった。
最近、ろくにロングランをしていないので、スタミナ切れが心配だったけれど、練習でもこなせないようでは、本番でさらに苦しむことは必至。
ということで、僕は、例によって早朝から足柄峠に向かうことに決めたのである。
行きの御殿場線車内では、その車窓から、朝焼けに輝く富士山が見えた。
僕は、それを見て、大いに胸をときめかせた。
足柄峠走では、その頂上にあたる希望の丘から、富士山を見渡すことができる。
しかし、僕は最近、その素敵な情景からフラれ続けていたからだ。
麓から富士山が見えた日でも、いざ昇ってみると、雲がかかっていたりすることもあったので、も油断はできない。
ということで、ドキドキしながら上り始める。
麓から9km地点。地蔵堂への分岐点で定点観測をした。
気温は7℃。風もあまりなく、絶好のランニング日和だ。
しかし、最近、あまりハードなトレーニングをしてない僕には、とてもつらく、このあたりから、まともに走れなくなってきた。
傾斜14%。最もきつい地点では、ベタ歩き状態。
いやはや本当につらくて、正直、引き返して帰りたくなったほどだ。
しかし、高い電車代を払い、時間をかけて足柄峠まできた以上、途中で引き返すのは、あまりに勿体ない。
しかも、山頂では、久しぶりに富士山が拝めるかもしれないのに、そんな機会を逃してなるものか。
僕は、そんな一念で、老体にムチを打って足を進め、ついに…。
希望の丘に到達!
富士山が見えた!!
いやぁ、この瞬間をどれだけ待ち侘びたろう。
足柄峠走で富士山を見ることができたのは、いったいいつ以来なのかと思い、ちょっと調べてみたら…。
この時以来、なんと2年半ぶりだった。
以降僕は、10回ぐらい連続してフラれていたので、本当に、格別の、最高の富士山だった。
この日は、コンデジを持って走ったので、思いっきり近寄ってみる。
最高だ!!!
雪のベールをしっかり纏っていて、2年半前に見た、夏の富士山とは違った趣がある。
あぁ、遠征して良かった。昇りきれてよかった。僕は、心からそう思った。
静岡マラソンは、富士山のお膝元で開催されるレースだから、当日、晴れていれば綺麗な情景を拝むことができるようだ。
僕はそれが、大いに楽しみになった。天気に恵まれることを祈りたい。