ということで…。仕切り直しの再エントリー。
中島みゆきコンサート「歌会 VOL.1」(3/15 東京国際フォーラム)のコンサートレポートだ。
開演前の状況については、こちらで詳しく書かせていただいた。
今回は、コンサートの内容を、セットリストも含めて紹介させていただくので、これから見に行かれる予定の方は、スルー推奨。
セットリストの曲目については、コンサート終了後、会場内に掲示されていたので間違いない。
しかし、MCのタイミングや、コーナーの紹介については、記憶に頼っている為、誤りがあるかもしれない。
あくまで個人的な覚書なので、ご容赦願おう。
第1部/セットリスト
1. はじめまして
【MC】
2. 歌うことが許されなければ
【MC】
※病院シリーズ
3. 俱に
4. 病院童
5. 銀の龍の背に乗って
【MC】
6. 店の名はライフ
【MC/小林信吾さん追悼】
7. LADY JANE
8. 愛だけを残せ
※場内照明点灯(10秒間)
※おたよりコーナー
第1部/幕。
第1部/感想
山手線の遅れに伴い(と、みゆきさんがMCで仰っていた)数分遅れで始まった1曲目は、「はじめまして」だった。
この曲は、4年前に行われた「ラストツアー/結果オーライ」で、最後の曲として歌われた。
突然のコロナ禍に伴い、このツアーは途中で中止になってしまったから、打ち切りの無念を振り払うべく、選曲されたのだなぁと感じた。
みゆきさんから、久しぶりのご挨拶があった後、最初の山場は、病院ソングメドレー。
みゆきさんは、「私は(ドラマなどで)病院と縁が深い」と語り、それに関連した歌を続けて歌うと宣言したのだ。
「俱に」と「銀の龍の背に乗って」は予想できたが、「病院童」はちょっと意外。
個人的には、「浅い眠り」(みゆきさんが産婦人科医役で出演していたドラマ「親愛なる者へ」主題歌。)が入るかなぁと思っていた。
ただ、よく考えると「親愛なる者へ」は病院ドラマではないし、「病院童」は、ガチガチの病院ソングなので、納得。
明るいトーンの曲調も心地よく、僕も大好きな歌だ。
6曲目。「店の名はライフ」には衝撃。
これは、かつてみゆきさんが実際に通っていた(今はもうない)店「ライフ」をテーマにした歌。
1977年発売のアルバム『あ・り・が・と・う』に収録されている。
今回のコンサート演奏曲の中では最も古く、しかも、シングルカットはされていない。
しかし、ファンの間では人気が高く、僕も大好きな曲だ。
いやぁ、懐かしい。懐かしかったなぁ。
7曲目も、店をテーマにした歌。
「LADY JANE」は、ラストツアーが打ち切りになった2020年の秋、残念ながら逝去された、バンマス小林信吾さんに捧げる歌でもあった。
この曲では、小林信吾さんが、ソロパートをとっているからだ。
誰もいないグランドピアノ。流れるメロディー。
あたかも、まだ小林信吾さんがそこに座っているかのような演出。いやぁ、泣けたなぁ。
それに続き、力強く「愛だけを残せ」を歌いきったみゆきさんは、観客に向けて、ひとつ要望を挙げる。
舞台から観客席は真っ暗で見えない為、10秒間だけ灯りをつけて、皆さんの顔を見せて欲しいというリクエストだ。
ということで、一瞬客席が明るくなり、その途端、みゆきさんには大歓声が放たれた。
なんだか新鮮な体験で、とてもステキだった。
その後、会場内で募集していたメッセージカードをもとにした、「おたよりコーナー」(オールナイトニッポンを彷彿させるトークがやっぱり最高!)があり、第一部は幕を閉じる。
第2部/セットリスト
※夜会「いいとこどり」コーナー
9. ミラージュ・ホテル
10. 百九番目の除夜の鐘
11. 紅い河
12.命のリレー
13.リトル・トーキョー
【MC】
14.慕情
※メンバー紹介
15.体温
16.ひまわり❝SUNWARD❞
【MC】
17.心音
第2部/感想
休憩開けは、オープニングから驚いた。
なんと「夜会」関連の歌が、5曲連続で続けて歌われたからだ。
1曲ごとにみゆきさんは早着替えを行い、夜会のイメージを醸し出す。
舞台のイメージもそのたびに代わり、さながら、みゆきさんの「ひとり夜会工場」状態。
あぁ、これだから単なるコンサートではなくて、「歌会」だったんだなぁ…と僕は得心した。
これを見ることができただけでも、今回のコンサートには価値がある、と思ってしまった。
ただ、夜会メドレー最終曲の「リトル・トーキョー」で、ちょっと意外な展開。
これは最高に軽快な歌で、壇上の宮下文一さんらも、手拍子のリードをとっていたのだけれど、いまひとつ、会場では手拍子が揃わなかった。
この歌は、CD音源になっておらず、「夜会」専用の歌であることから、知らない人も多かったのかもしれないなぁ。
僕は、「リトル・トーキョー」を、これまでの「夜会」の中でもベストだと思っているので、もしもまだ見ていない人がいるなら、あまりに勿体ない。
僕は、たった3分間しかない、この公式ダイジェストを見るだけでも、感動してしまう。
みゆきさんの姉!役をつとめた渡辺真知子さん*1の歌唱も含め、超お薦めだ。
夜会メドレーに続いて、連続ドラマ主題歌に関する話があって、「慕情」が歌われる。
メンバー紹介の後は、最新アルバムから「体温」。
これは、レコーディング時に、吉田拓郎さんが参加した歌だったので、僕は、「拓郎さん、サプライズで出てきてくれないかなぁ」と期待してしまった。
今回は実現しなかったけれど、あえて(?)このセットリストに入っているということは、今後どこかで拓郎さんが登場してくれるような気がする。
続いて16曲目の「ひまわり❝SUNWARD❞」には痺れた。
戦争や人類の平等をテーマにしたこの歌は、まさに、今の時代に向けた、みゆきさんからの熱いメッセージを感じたのだ。
そして。
みゆきさんから「4年も待ったのに…最後の曲になってしまいました」というコメントとともに、お別れの挨拶。
そして、「今になって、初めてアニソンを歌うことになるとは…」と話し、最新曲の「心音」を歌い始めた。
バックスクリーンには、「アリスとテレスのまぼろし工場」のシーンが流れ、僕は映画のラストシーンを思い出し、再び胸が熱くなった。
アンコール/セットリスト
18.野ウサギのように
19.地上の星
アンコール/感想
「心音」後、みゆきさんは退場したが、演奏スタッフたちはそのまま居残り。
アンコールの拍手が響き渡る間もなく、あっという間に、みゆきさんが再登場した。
「野ウサギのように」は、夜会「リトル・トーキョー」と同様の振り付き。
お茶目なみゆきさんの姿が見られて最高だった。
そして。
最後の曲は、満を持して…と言った感のある「地上の星」だった。
この日は、ちょうど「新プロジェクトX」主題歌として、「新・地上の星」が決まったばかりのタイミングだったから、実にタイムリー。
みゆきさんから、「新」についてのコメントはなかったけれど、やっぱりこれはいい歌だなぁと、あらためて実感。
今夜のNHK特番で初公開される「新・地上の星」が楽しみだ。
全体の感想
ひとことで言えば、まさに「これぞ、歌会だ!」と思えるコンサートだった。
みゆきさんの伸びやかな歌声は、その年齢を全く感じさせない。
それぞれの歌に関する、丁寧なエピソードトークが素晴らしく、名曲たちがさらに奥行きを持ったような気がした。
2部開始直後の「夜会」曲5連続のたたみかけは圧巻。
あぁ、だからこそ、「夜会」を彷彿させる「歌会」というタイトルになったのだろう。
VOL.2の開催が今から大いに楽しみだ。
*1:実際は、みゆきさんの方が、真知子さんよりも年上。でも、違和感はなかったなぁ。