今日、6月29日発売。
音楽業界の慣習として、発売日の前日から販売可能となるため、オンラインで注文した商品も、発売日前日に届く。
ということで、僕の家にも昨晩届いていた。
吉田拓郎のラストアルバム「ah-面白かった」だ。
タイトル題字は、なんと、KinKi Kidsの堂本光一が担当。
タイトルの横に「光一」と記されているのが、その証明だ。
吉田拓郎とKinKi Kidsの繋がりは、1996年から始まった。
伝説の名番組「LOVE LOVE あいしてる」での競演である。
番組開始時は、まだデビュー前だったKinKi Kidsと、フォーク業界の大御所と言える吉田拓郎の競演は、実に斬新。
僕は、「話が噛み合うのか?」と思いながら、毎週見ていた記憶がある。
しかし、それは僕の杞憂だった。
KinKi Kidsの2人は、とても新人とは思えないほどのトーク力で番組を仕切りつつ、吉田拓郎との掛け合いも最高だったからだ。
この番組には、さらに、篠原ともえという強烈な個性のタレントが参加。
篠原ともえは、今でこそ、清楚な才女というイメージになっているけれど、この頃は、今で言えばフワちゃんのような…いや、フワちゃんをも遙かに超える《奇抜系》タレントだったのだ。
吉田拓郎は、篠原ともえが出てくるたびに唖然とした表情を崩さず、「とんでもなく奔放な少女に、辟易するオジサン」というキャラクターになっていたような気がする。
この番組では、毎週、フォーク界の大物たちがゲスト出演していた。
普段はあまりテレビに出ないようなミュージシャンも多数出演していたが、それは、とりもなおさず、吉田拓郎が出演している番組だから成り立ったと言っても間違いない。
それぐらい、音楽業界において、吉田拓郎という存在は「別格」だったのだ。
番組は大ヒットとなり、4年半も続いたが、その間に築かれた吉田拓郎とKinKi Kids、そして篠原ともえの繋がりは強固で、だからこそ、ラストアルバム題字に堂本光一が参加したという流れになっている。
このラストアルバムに参加したのは、堂本光一だけではない。
5曲目の「ひとりgo to」では、堂本剛が編曲&ギターにて参加している。
欲を言えば、「ボーカルで参加して欲しかったなぁ」という思いもあったが、それは、権利的に(?)難しかったのかもしれない。
このアルバムへの特別出演は、KinKi Kidsだけじゃない。
吉田拓郎の盟友、小田和正が、7曲目の「雪さよなら」でボーカルを担当。
大物ミュージシャン2人による、最初にして最後の競演作品なので、非常に感慨深い。
このアルバムの限定版にはDVDがついているのだけれど、そのナレーターを、清楚な大人になった篠原ともえが担当。まだ、本人も動画内に登場している。
このDVDは、「ah-面白かった」制作メイキング映像(小田和正も登場!)と、吉田拓郎インタビューが収録されており、まさに永久保存版。
「ah-面白かった」は、ストリーミング版もあるけれど、それだと、このアルバムの全貌がわからない。
ディスク版だからこそのDVD特典があり、そして、収録全曲についてのライナーノーツが読めるのも、ディスク版ならではの大きなメリットだ。
吉田拓郎ファンならば、このラストアルバムだけは、絶対に、「形に残る」ディスク版購入をお勧めしたい。