どんなにこの日を待ち侘びたことだろう。
ついに、「世界が違って見える日」がやってきた。
発売日は、今日3月1日。
しかし、音楽業界では、発売日の前日から販売可能という慣習があるため、オンラインで注文した商品も、発売日前日に届くのだ。
いやぁ、もう、嬉しくてたまらない。
僕が心から敬愛する中島みゆきさん44枚目のオリジナルアルバム。
前作の「CONTRALTO」から3年ぶり、待望のリリースなのだ。
予約特典は、販売元によって異なるので、僕は色々悩んだが、結局、みゆきさんのお膝元であるヤマハ・アーチスト・ハーツで購入。
他ショップより700円も高い上、さらに送料が930円もかかるというのは、どうにも釈然としなかったのだけれど、ここでしか入手できないオリジナル特典の魅力に抗えなかった。
その特典は2つ。
1つめは「世界が違って見える日」CD用のオリジナル限定スリーブケース。
その裏面は、他で入手することのできないオリジナル写真となっていて、貴重。
CD本体の写真と異なる、美しいみゆきさんの写真で、本体をしっかり保護してくれる。
もうひとつの特典は…。
レコード型のオリジナルコースター。
裏面写真はスリーブケースのものと同じく、ヤマハオリジナルのものだった。
この特典2つだけで、他ショップより1,630円も高いというのは、やっぱりちょっと解せない気もするのだけれど、文句は言うまい。(言ってるってw)
一番大事なことは、特典ではなく、このアルバムの内容。
みゆきさんのオリジナルアルバムなのだから、素晴らしいに決まっているのだけれど、期待のハードルをさらに越えてきた。
1.俱(とも)に
2.島より
3.十年
4.乱世(らんせ)
5.体温
6.童話
7.噤(つぐみ)
8.心月(つき)
9.天女の話
10.夢の京(みやこ)
先行シングル発売された「俱(とも)に」でスタート。
「俱(とも)に」は非常にスケールの大きな曲なので、ラスト向き?なんじゃないかと思って心配したが、それはまったくの杞憂だった。
柔らかなトーンから、激しいシャウトまで変幻自在の曲が続き、超壮大な「夢の京(みやこ)」で締めくくるという、完璧な構成。
「夢の京(みやこ)」は、 みゆきさんのライフワーク音楽劇「夜会」のラスト曲であっても不思議ないほど、心に大きな余韻を残す超名曲だ。
僕は、「ウインターガーデン」のラスト曲「記憶」を思い出してしまった。
コミカルなイメージを持った、5曲目の「体温」には、去年音楽活動を引退した吉田拓郎さんが参加。
拓郎さんは、ギターだけじゃなく、バックコーラスでも登場。
みゆきさんの歌の後ろで、みんなと一緒に軽く声を上げているだけ…と思って聞いていたら、ラスト1分で驚いた。
みゆきさんの歌唱が終わったあと、バックコーラス組だけが、サビの部分をリフレインする展開となり、その中で明らかにひとつだけ目立つ声がある。
おぉぉ、拓郎さんの歌声だ!
これはおそらく、みゆきさんから拓郎さんファンへの贈り物。
僕は、この部分だけ何十回もリフレインして聞いてしまったほど、感動した。
歌詞カードは、いつものように、英語詞と素敵な写真も入った豪華ブックレット版。
曲を聴きながら、歌詞の感動に浸っていたら、このブックレットにもサプライズがあった。
なんと、「あとがき」がついている!
アルバムタイトルとなった「世界が違って見える日」についての珠玉エッセイだ。
みゆきさんが、ブックレットにこのような文章を掲載するのは非常に珍しい。
この他、8曲目の「心月(つき)」と10曲目の「夢の京(みやこ)」についての作者註も掲載されており、非常に興味深い。
全中島みゆきファン、必聴必携。渾身のアルバムだ。