現在、米国のラスベガスでは、世界最大のデジタル関連展示会となる「CES 2023」が開催中だ。
ここ2年のCESは、コロナ禍に伴って縮小開催を余儀なくされたようだが、今年は2020年以前の規模に戻り、出展社は、世界50カ国3,200社にも上っている。
そんな中、Lenovoが、注目のガジェットを発表した。
ThinkPhoneだ。
去年から噂になっていた、《Think》ブランドのスマートフォンである。
このスマホに関する僕の思いは、当時のエントリーで紹介させていただいた。
この時僕は、「今のところ、心は動かない」と書いた。
ごく標準的なAndroidスマートフォンに、ThinkPadを彷彿させる「ThinkPhone」のロゴがついただけ…のように思えたからだ。
しかし…。
実際の発表では、ちょっとその予想が外れた。
「ThinkPad」ブランド30周年を記念したスマートフォンということで、想像以上にThinkPadを意識したモデルになっていたのである。
ThinkPadの魂と言える、Qwertyキーボードやトラックポイントこそ装備しないものの、ボディの質感や堅牢性は、ThinkPadに劣らない。
アラミド繊維、航空機グレードのアルミニウムフレームを採用した筐体は、精悍で強靱。
IP68の防塵防滴性能はもちろんのこと、アメリカ国防総省が定めた厳しい調達基準のMID STD 810Hにも準拠している。
さらに…。
ThinkPadとの連携機能「Think 2 Think」も実装。
Wi-Fi経由でThinkPadにインスタント接続し、クリップボードの共有や、ドラッグ&ドロップでのファイル転送にも対応する。
また、ThinkPadでAndroidアプリが使えるストリーミング機能や、ThinkPhoneのメインカメラをWebカメラとして利用できるようにもなるようだ。
ビジネス的な要素が多いとはいえ、ただ、ThinkPadとスマートフォンが、シームレスに使えるのは実に魅力的。
僕は、最近ThinkPad X1をゲットし、その素晴らしさに酔いしれている真っ最中。
僕の中では、再びThinkPad熱が盛り上がってきているので、ThinkPhoneも、大いに気になるスマートフォンとなってきた。
ただ、懸念がある。
ThinkPhoneの発売について、現時点ではこのように発表されているからだ。
米国、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、中東、オーストラリア、およびアジアの一部の国で、数か月以内に展開する予定
アジアの一部の国…。
「日本」という名前が正式にリリースされていない。
ThinkPadと日本市場は切っても切れない関係だから、日本でThinkPhoneの発売予定があるのなら、リリース国に含まれる筈。
それが入っていないと言うところに、僕は一抹の不安を覚える。
このThinkPhoneは、かなりビジネス色の強いスマートフォンだけに、たとえ日本で発売されたとしても、「法人限定」になるかもしれない。
コンセプト上、おサイフケータイなどは装備されそうにないから、日本の一般市場では厳しい、という理由はわかる。
ただ、そうは言っても、Thinkブランドのスマートフォンなのだから、やっぱり日本でも正式発売して欲しい。
ThinkPadファンの切なる願いだ。