昨日、7月19日は、藤井聡太二冠の誕生日だった。
14歳での棋士デビュー以降、将棋界のあらゆる記録を塗り替えてきた天才少年も、19歳になった。
しかし、まだ未成年であり、その勢いはとどまるところを知らない。
8割を超える勝率を考えると、棋界の頂点に君臨する日も、遠くないのではないかと思っている。
そんな藤井二冠が19歳を迎えた日に…。
将棋界8大タイトルのひとつ、王座戦の挑戦者決定戦が行われた。
藤井二冠を筆頭に、若手の台頭がめざましい将棋界だが、どっこい、オジサンだって負けてない。
今回、28歳永瀬王座への挑戦権を賭けて戦ったのは、51歳の佐藤康光九段と、48歳の木村一基九段。
棋界屈指の「超」オジサン対決だ。
そして、その戦いを制したのは、「千駄ヶ谷の受け師」木村九段だった。
木村九段と言えば…。
2年前の王位戦で、【序盤中盤終盤、隙がない】豊島王位に挑戦し、4勝3敗でタイトルを奪取したことが忘れられない。
46歳での初タイトル獲得は、それまでの「最年長初タイトル戴冠記録」(37歳6ヵ月)を、なんと8歳以上も更新する大記録となった。
そんな木村王位が47歳を迎えた昨年。
苦心の末にようやくもぎ取ったタイトルは、藤井棋聖(当時)の挑戦を受け、あえなく失ってしまうことになった。
しかし、オジサンの星は、まだまだ輝きを失ってはいなかった。
48歳にして、2度目の戴冠へ。
現将棋界で4強の1角と言われる永瀬王座への挑戦権を得たのだ。
将棋には、「攻め」が得意な棋士と、「受け」が得意な棋士がいるが、木村九段は、「受け」のスペシャリスト。
「千駄ヶ谷の受け師」という異名を持つほど、その緻密な受けには定評がある。
木村九段を迎え撃つ永瀬王座も、徹底した「受け」(というか「粘り」と言うか…)が得意な棋士。
今回の王座戦は、史上最高の「受け師」対決とも言えるだけに、実に楽しみだ。
僕はオジサン世代なので、もちろん、木村九段を応援。
オジサンの星よ、再び輝いてくれ!