藤井聡太竜王・名人(王位・叡王・棋王・王将・棋聖と合わせて七冠)*1が、遂に、「鬼門」の王座戦で挑戦者に名乗りを上げた。
王座タイトルへの挑戦者決定(挑決)リーグ戦決勝で、豊島九段相手に、159手にも及ぶ死闘を制したのだ。
終盤は、お互い1分将棋となり、形勢が二転三転したので、本当にハラハラ、ドキドキ。
藤井竜王・名人は、1分将棋の制限時間ギリギリとなる59秒まで考えて、慌てて指した場面もあったほど。
豊島九段の粘りも凄まじく、薄氷を踏むような戦いだったが、最後は底力でねじ伏せた。
鬼門、突破だ!
藤井竜王・名人は、他の棋戦では無敵を誇りながら、なぜか王座戦だけは苦手としていた。
初参加となった18年度こそ、挑決リーグの準決勝まで進出したが、その後は、2回戦にも進めず敗退。20年度に至っては、なんと予選で姿を消した。
とにかく、信じられないほど相性が悪かったのである。
しかし、ついに潮目は変わった。
今年の挑決リーグも、苦しい戦い続きではあったものの、ここまで来ればもう大丈夫だろう。
タイトル戦は、5番勝負、7番勝負などで勝ち越した方が王者になるが、こういった番勝負の強さは、圧倒的。
タイトル戦に出れば勝つ。
番勝負においては、16戦全勝。タイトル獲得率は100%を誇っているからだ。
さぁ、永瀬王座を撃破して、前人未踏の八冠へ。
期待せずにはいられない。
*1:将棋界には8つのタイトルがあるが、竜王位と名人位は別格扱いなので、通常はその冠をつけて呼ばれる。