藤井聡太叡王(竜王、王位、王将、棋聖、19)への挑戦権を賭けて争う、第7期叡王戦トーナメントが、驚くべき展開を見せている。
この叡王戦は、予選から波乱が続出で、渡辺名人、永瀬王座、羽生九段といったビッグネームが軒並敗退。
本戦トーナメントに入っても、タイトル獲得経験者が次々敗れる異例の事態となっている。
昨日実施された準決勝で、デビュー3年目の出口若武五段(26)が、元名人である佐藤天彦九段(34)に147手で勝利。
これで、挑戦者決定戦は、先に決勝進出を決めている、デビュー2年目の服部慎一郎四段(22)との対決になった。
叡王戦は、今期が7期目。
公式タイトル戦になってからは、まだ5年しか経っていないフレッシュな棋戦だ。
決勝戦に挑む2人は、デビュー年数だけで考えれば、どちらも藤井五冠の《後輩》という、超フレッシュな棋士。
今期の叡王戦は、フレッシュな棋戦にふさわしい、フレッシュな棋士たちによる決勝対決となった。
ワクワクせずにはいられない。
それにしても…。
あらためて思うのは、フレッシュな挑戦者を迎え撃つ、藤井叡王(竜王、王位、王将、棋聖)の凄さ。
藤井叡王にしても、まだデビュー5年目で、しかも、まだ19歳(決勝進出の2人よりも年下!)なのだ。
キャリアや年齢だけを考えれば、藤井叡王だって、十分フレッシュと言えるのだけれど、その表現は当たらない。
藤井叡王…いや、藤井五冠は、言うまでもなく、将棋界トップの存在。
もはや風格まで漂ってきた藤井五冠に、フレッシュの称号は似合わない。
無敵を誇る若き帝王と、勢いに乗るフレッシュな戦士の対決が、今から本当に楽しみだ。