好天に恵まれた先週末の日曜日。
僕は、日暮里に出かけた。
ここで、美味しい餃子が食べられるという情報を得たからである。
目指していた店は、すぐに見つかった。
その店の名は「花家」。1945年(昭和20年)創業の老舗だ。
《軽食 甘味》と書かれており、この文字だけ見ると、オシャレな甘味処のようにも見える。
しかし、店名の左には、さりげなく描かれているイラストが大きなポイント。
そう。この店の自慢料理は、他ならぬ餃子なのである。
外観全景を見れば、それはさらに明白。
その入口には、「餃子」の旗が印象深くはためいていた。
食べログに掲載されている写真を見ると、以前は、ガチガチの甘味処といった感じの外観であり、店頭では、あんみつやくず餅なども販売していたようだ。
しかし、数年前に改装し、オシャレな店に生まれ変わった。
入店。
入口には消毒用アルコールも常備してあったし、テーブルごとにビニールシートで区切られており、感染症対策も万全。
僕が入店したのは、まだ11時半頃だったので空いていたが、店を出るときには、ほぼ満員になっていた。
テーブルに座り、メニューを眺める。
これだけ見ると、中華系の定食屋といった趣。
餃子だけ別枠になっているところから、餃子が看板メニューであることがわかる。
しかし、この店の真骨頂は、裏面だ。
ずらっと並ぶ甘味類。この店はやっぱり甘味処なのだ。
カラーになっていることから、むしろ、こちらがメニューの「表面」なのかもしれない。
甘味の下に《おつまみ》と《お酒》が並んでいるのも、異色。
僕は、餃子とおつまみでビールを飲みたいなぁ…と思ったけれど、あいにく今は、禁酒令がかかっており、酒類の提供はなし。残念でならない。
テーブルには、もう1枚、別のメニュー表が用意されていた。
それは、【あらかわ満点メニュー】と書かれており…。
日暮里餃子定食が、写真&コメントつきで、ドカンと紹介されていた。
女子栄養大学の監修が入っているのか、餃子という料理を健康面からPRしていた。
僕は、「餃子&ビール」絶対派であり、餃子を食べるときはご飯類を注文しないのが常。
餃子とご飯で食べることは滅多にないのだけれど、今はビールが注文できないし、たまには餃子定食もいいかなぁと思った。
ということで、これを注文。
待っている間、テーブルの脇に置いてあったシート類に目を通してみる。
それらは、女子栄養大学による、栄養学の豆知識を掲載したものだった。
表裏を使って、料理における、さまざまな健康上のアドバイスを紹介している。
こんなシートをじっくり読んだら、皆、甘味なんか注文しなくなっちゃうんじゃないかなぁと、僕はちょっと心配になった。
まぁ、甘味好きの人は、そもそもこういうシートを読まないのかもしれないけどw
などということを、つらつらと考えていると…。
焼餃子がやってきた!
それは、想像以上にビッグサイズで、僕は思わず興奮した。
iPhone SEとの比較。これは食べ応えがありそうだ。
日暮里餃子定食の全景。
850円はちょっと高いかなぁと思ったのだけれど、餃子は大きいし、サラダもついてくるので、そう考えれば妥当なのかもしれない。
そんなことを思いながら、僕は、まず餃子を囓ってみて…。そして驚いた。
絶品だ!
と、巨大フォントで叫びたくなってしまうぐらい、美味しかった。
もちもち、カリカリの皮に包まれた具は、肉汁がじゅわっとしみ出して、囓ったとたんにそれが口内に幸せをもたらす。
それに追い打ちをかけるように、強烈なニンニクパンチが口内を襲う。
ニラもたっぷり含まれており、肉と野菜のバランスも絶妙。
流石、女子栄養大学短大がプッシュするだけのことはある。
僕は、大いに感動してしまった。
今年初めて食べた店の餃子としては、篠崎の菊亭に並ぶぐらいの感動。
あぁ、この餃子をビールと一緒に食べられないなんて…。
その点だけが悔やまれる。
餃子にはしっかりと下味が付いているので、何もつけなくても十分美味しいし、あえてつけるのであれば、酢胡椒が合う。
ただ、ご飯をパートナーにするのであれば、酢胡椒にちょっとだけ醤油を加えてみるのも悪くない。
このタレにつけた餃子を、ご飯にバウンドして食べると、ご飯にもタレの風味が残るからである。
あぁ、美味しかった。美味しかったなぁ。
ということで、僕は、久しぶりの餃子定食を十分に堪能した。
ただ、この餃子は、是非ともビールとともに味わいたいので、禁酒令が解除されたら、必ず再訪しようと思う。