先日、僕は久しぶりに平日休暇を取得した。
最近「旅ラン」ができなくなったこともあり、遠出をする機会がなくなっていたため、ふらっと郊外にでも出かけてみようと思ったのである。
その日僕が目指したのは、飯能・宮沢湖のほとりにある温泉施設「喜楽里別邸」。
僕の家から飯能駅までは電車で約1時間。
飯能駅からは、メッツア(ムーミンバレーパーク)直行のバスに乗るだけ。
楽勝だ。
ただ、いきなり僕は出足を挫かれる。

いざ飯能駅に降り立ったものの、まだ、直行バスの始発前だったからだ。
バスが来る時刻までは1時間近くあり、駅の周りには時間をつぶせるような場所もなかったので、仕方なく僕は、歩いて向かうことにした。
駅から喜楽里別邸までは約4km。
まぁ、最近まともに走れていないし、地獄の夏が終わって歩くにも絶好の陽気。
プチハイキングだと考えれば悪くない。
ということで、のどかな風景に癒やされながら、歩くこと40分。

ムーミンバレーパークの看板が出てきた。よし。もうすぐだ。

喜楽里別邸「この先すぐ」の看板もあった。
《極上の日帰り温泉施設》というキャッチコピーに、心が躍る。

到着!
「喜楽里別邸」は、宮沢湖を望む高台にある日帰り温泉。
リーフレットによれば、「日常を離れ、極上のおもてなしを心ゆくまで」というコンセプトを掲げている。
お風呂の種類は多くない。
僕は肩凝りが酷いので、「打たせ湯」や「ジェットバス」が好きなのだけれど、そのどちらもなかったため、最初はちょっと拍子抜けした。
しかし、広々とした展望露天風呂や高濃度炭酸泉に身を沈めていると、そんなことはどうでもよくなった。
平日の朝ということもあり、とにかく空いていて、ゆっくりのんびりとした気分に浸ることができたからだ。
温泉の周りには、チェアーなども沢山用意されていたので、僕はそこで休息をとりながら、何度も何度も極上の湯を堪能した。
リーフレットの言葉通り、僕は日常を忘れられたし、極上のおもてなしを受けている気分になった。
館内には「温熱房」という岩盤浴スペースもあった。

照明を落とした静かな空間で、横たわるだけで心が整っていく。


僕は、この岩盤浴が気に入った。
まさにこれこそ、日常では得られない体験だし、身体の疲れが抜けていく気がしたからである。
「身体を熱くする」という体験で言えば、サウナと似たようなものだけれど、サウナの場合、長時間利用すると(僕は)頭がぼーっとしてきてしまう。
しかし、岩盤浴ならその心配はいらない。
さまざまな天然石を体験し、僕は汗びっしょりになってしまったほどだ。
たっぷり汗をかいた後は、ふたたび展望露天風呂へ。
いやはやこれがたまらなくまた快適だった。
岩盤浴のエリアには、リラックススペースも用意されていた。


僕は普段、コミックをあまり読まないのだけれど、温泉の合間に、日がなコミック世界に浸るのもいいかもしれないなぁ…と思った。

屋外にも休憩施設があり、ここからは宮沢湖を一望することもできる。
僕は、ハンモックがなかなか気に入った。
ふわりと体を包む布の感触は、思わず眠ってしまいそうになるほどの心地よさだった。
平日ということもあり、どんな場所でも空いていたし、「温泉」「岩盤浴」「リラックススペース」「ハンモック」の流れを繰り返せば、1日じゅう楽しめそうな気もした。
館内には、宮沢湖を眺めながら海の幸や山の幸など満喫できる、お食事処「天風」もあるから、1日かけても、あっという間に終わってしまいそうだ。
僕は、本当にこの喜楽里別邸が気に入った。
温泉の種類は少なくても、静けさと落ち着きがある。岩盤浴も最高。
飯能という立地も含めて、まさに“大人の隠れ湯”という言葉がぴったりだ。
まともに走れない今だからこそ、こういう時間が必要なのだなぁと感じた。
できれば1日じゅう滞在したかったのだけれど、この日は、飯能駅前での“町中華ランチ”というもう一つの目的があったため、後ろ髪を引かれつつ退館。
そんな帰りもバスの時間が合わず、再び徒歩で駅へ。
しかし、体も温まっていたので足取りは軽い。
町中華での餃ビーが待っているとなれば尚更だ。
温泉でリラックスしたあとに、5,000〜6,000歩の下り坂ウォーキング。
まるで「プチハイキング+温泉」というセットコース。
いやぁ、気持ちよかったなぁ。

