一気呵成で読み終えた。
昨日、早々と発売された『ゴジラ-1.0』のノベライズ。
200ページ弱しかない薄い本で、しかも、実に読みやすいので、あっという間だった。
その内容は、映画のストーリーを忠実に再現している。
『ゴジラ-1.0』は、怪獣映画ではあるけれど、それとともに、主人公である敷島浩一の葛藤を描いた人間ドラマでもある。
先週の鑑賞時、僕は、その人間ドラマ的側面が受け入れられず、中だるみさえ感じてしまった。
この小説は、僕のそんな思いを払拭してくれた。
さまざまなシーンにおける、敷島浩一の心理が細かく描かれているからだ。
僕は、「そういうことだったのか」と頷きながら読み進めた。
小説の描写が、僕の感受性不足を補ってくれたのである。
『ゴジラ-1.0』の人間ドラマ部分にモヤモヤを感じた人は、これを読むと、かなりスッキリするのではなかろうか。
現在、ネット上で物議を醸している、ラストシーンへの言及もあった。(註/ネタばれにならないよう、ここでは伏せ字にさせていただいた。)
「○○の首筋に、黒い小さな△△△△△△△が、×××××××た。」
この表現であれば、結論はひとつ。
僕は、思わず寒気を感じてしまったほど。
いやぁ、なんてわかりやすい本なのだろう。これは。
それもその筈…この本は、『ゴジラ-1.0』の監督・脚本・VFXを手がけた、山崎貴さんが、直接執筆されているのだ。
この本は、「山崎監督が『ゴジラ-1.0』で伝えたかったこと」をしっかり補完してくれる。
公式パンフレット(これは必読!)とともに、ゴジラファンなら、買っておいて損はないと思う。
表紙をめくると現れる「口絵」で胸アツ。
劇中のクライマックスシーンを切り取った、カラーピンナップページもあった。
小説を読んだ後、このピンナップを見ていたら、再度『ゴジラ-1.0』を見に行きたくなってきた。
今度は、人間ドラマパート部分にも注目しながら、堪能してみたい。
現在、Amazon他ネット書店では、紙媒体(文庫)は品切れ中。
マケプレのぼったくり価格になっているので注意が必要。
街なかの書店でゲットするか、電子書籍版の購入をお勧め。