新橋駅烏丸口から、徒歩1分。
ニュー新橋ビルのエスカレーターを下りると…。
憩いの地下街があり、そこには、数十件の居酒屋が、所狭しとひしめいている。
僕はこの日、新橋で1時間ぐらい空き時間があった為、軽く餃ビーしたいと思い、かねてから気になっていた店に行くことにした。
その名もズバリ「餃子や」だ。
店名に「餃子」が付いているからと言って、安心はできない…というのが、餃界の常識。
巷には、「餃子酒場」とか「餃子屋××」とかいう店が溢れており、僕は、その店名に裏切られたことが何度もある。
しかしこの店は、なんとなくそういった店とは違うこだわりを感じた。
飲み屋だらけのニュー新橋ビル地下で「餃子」を店名に掲げる以上、それだけ自信がある筈。そう信じた。
店頭に掲げられていた、このサービスセットも魅力的。
小一時間、ひとりでサクッと餃ビーするには最高だ。
入店。
セットの焼餃子は、1~6番のうち、好きなモノを選ぶことが可能。
ここでは、オーソドックスに「五目焼餃子」を注文した。
飲み物は、日本酒やハイボールなども選べたが、餃子のお供にするのだから、個人的にはビール以外あり得ない。
ということで、ビール(キリン一番絞りの生)を選択。
セットの惣菜は、味の染みこんだ煮物だった。
中華系の店としては珍しいような気もしたが、店内のメニューを眺めてみると、そう意外でもなかった。
和洋のメニューを含めて、さまざまなおつまみ類が揃っていたからだ。
この激戦区では、餃子だけじゃ勝負できないんだろうなぁ…と思った。
店の名は「餃子や」であるものの、総合的な餃子系居酒屋と考えた方が良いのかもしれない。
人気のおすすめメニュー。
店員さんは大陸系の方のようで、厨房では中国語が飛び交っているのに、刺身盛りや塩辛などもあるのが面白い。
ただ、おすすめの中に、餃子は影も形もなく、僕はいささかの不安を覚えてくる。
餃子はおすすめ料理じゃなく、単なる店名だけのことだったのだろうか…。
しかしもう、今更引き返せないし、割り切って、餃子が出てくるのを待つしかない。
眺めている内に、おすすめ料理も食べてみたくなり、「ゴーヤ塩和え」を注文。
あっという間に出てきたのだけれど、これが実に美味しかった。
ほんのちょっとした小品なのに、なかなかどうして侮れない。
セットの煮物も美味しかったし、この店は、外れがないのかもしれないぞ。
僕は、煮物だけで生ビールを飲み尽くしてしまっていたため、瓶ビールを追加注文。
それに合わせて、ちょうど五目焼餃子も出てきた。
実に見事な羽根つき餃子だ。
羽根の中央が少し焦げてしまっているけれど、まぁ、その分は食べなければいいだけなので、問題ない。
僕は再び、餃子への期待が盛り上がってきた。
ひとくち囓ってみると、肉汁がじゅわっとあふれ出した。
うん、なかなかいいじゃないか。
薄皮で、野菜よりも肉の味わいが強い。個人的には、椎茸が入っているのが気に入った。
下味はしっかりとついているので、何もつけなくても、十分に美味しい。
ということで…。
しそチーズ焼餃子を追加注文。
見た目は、五目焼餃子と区別がつかないのだけれど…。
囓ってみると、その違いは明確だった。
しそとチーズがしっかりと主張していて、味わい深い。これも結構気に入った。
やっぱりここは、「餃子や」だった。餃子が看板料理なのだ。
この日僕は、所用があって長居できなかったため、2種類しか食べられなかったが、是非とも再訪して、他の種類の餃子も食べてみたいと思う。
この店は、コース料理が充実しているのも魅力。
焼餃子、水餃子の全種類を含めた料理の食べ放題と、飲み放題コースで、2時間4,200円というのは、なかなかリーズナブルなのではなかろうか。
店は20人程度のキャパシティで、それほど大きくないが、逆に、こじんまりとまとまっているので、少人数での飲み会には、合っているような気がする。
今度は、餃子仲間を誘って、みんなで訪れたい店だ。