WMM(ワールドマラソンメジャーズ)に属する大会は、現在6つ。*1
ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク、そして東京だ。
WMM全ての大会を完走したランナーは、SIX STAR FINISHERと呼ばれ、ポン・デ・リングデザイン(?)の、特別なメダルが提供される。
このメダルを獲得する条件は、非常に厳しい。
米国、英国、ドイツ、日本の4カ国で走らなければいけないし、出場権を得るだけでも困難な大会が並んでいるからだ。
僕も、このメダル獲得を夢見ているランナーなのだけれど、最近の怪我続きと予算不足で、ちょっと心が折れつつある。
6大マラソン大会の中でも、極めて出走ハードルの高い、ボストンとロンドンを残してしまっているからなぁ…。
ただ、いつか復活できた日のために、情報収集だけは続けている。
このたび、WMMのWeBサイトで、興味深いデータが公開されていたので、今日は、それをご紹介させていただくことにしよう。
その名も…。
SIX STAR FINISHER FACTだ。
WMMにおける、SIX STARの獲得者についての、最新情報がたっぷり詰まっていて、非常に面白い。
今回はその各項目を眺めて、僕なりに考えてみたことを綴っていきたい。
- 地域別SIX STAR FINISHER数(2023.11現在)
- 国別FINISHER数トップテン
- 直近5年間における年度別6★達成者数(2019年~2023年)
- 6★メダルの複数獲得者数
- 2023年の「新規/追加」SIX STAR FINISHER
- SIX STAR FINISHERの男女比
- 6★達成時平均年齢
- マラソン大会別平均完走タイム
地域別SIX STAR FINISHER数(2023.11現在)
昨年のニューヨークシティマラソン終了時(2023.11)における、SIX STAR FINISHERの数は、12,772人。
ニューヨークシティマラソンの次に控えるWMMの大会は、3月の東京マラソンとなるため、この数字は、現在の最新状況を示している。
世界の大陸別に見ると、ヨーロッパと北アメリカがやはり高い。
6大会のうち5大会は、ヨーロッパと米国に集中している為、この結果は納得。
むしろ、そんな状況でアジアは大健闘しているのではなかろうか。
オセアニア大陸は、シドニーがWMMに加わると、飛躍的に伸びそうな気がする。
国別FINISHER数トップテン
世界121カ国のランナーが、SIX STAR FINISHERの栄冠に属している。
国別でダントツに多いのは、やはり米国。
6大会のうち、3大会(ボストン、シカゴ、ニューヨーク)を有しているので、他国への遠征が少なくて済むというのが理由だろう。
ロンドンマラソンを有する英国が2位。ベルリンマラソンを有するドイツが3位。
東京マラソンを有する日本は9位だが、遠征の難易度を考えれば大健闘と言えるんじゃないかと思う。
そんな日本のSIX STAR FINISHERは、現在398人。
そのうち、僕の知り合いが50人以上入っているw
直近5年間における年度別6★達成者数(2019年~2023年)
ここ5年間で、新規にSIX STAR FINISHERとなったランナーの数。
コロナ禍の影響が如実に表れている。
2020年が1人というのが凄い。
この年は、ボストン、シカゴ、ベルリン、ニューヨークシティマラソンが中止。
東京とロンドンは、一般の部が中止でエリートランナーのみでの開催となっている。
そんなエリートランナーの中に、新規のSIX STAR FINISHERがいたということだろうか?
6★メダルの複数獲得者数
6大会を全て完走すると、前述のポン・デ・リングデザインメダルがゲットできるのだけれど、そのメダルを複数獲得している「超」リピーターが、119人もいる。
2周(メダルを2個ゲットした)ランナーが104人。3メダルの項目が2つあるのは誤植?だとして、3周ランナーが11人、4周ランナーが4人、5周ランナーが2人ということだろうか。
2周するだけでも衝撃だが、3周、4周、5周に至っては、もう、唖然とするしかない。
時間もお金もスピードも、たっぷりあるランナーたちなんだろうなぁ…。
2023年の「新規/追加」SIX STAR FINISHER
左は、2023年にSIX STAR FINISHERとなった4,574人の、大会別内訳。
東京マラソンでの達成者がダントツに多い。
ここ数年の東京マラソンは、コロナ禍で中止になったり、外国人を締め出ししていたりしたので、これはまぁ、当然と言える結果。
右は、2つめのSIX STAR FINISHER FINISHERメダルを獲得したランナーの数。
これも東京がダントツ。50人もいるのだから驚きだ。
SIX STAR FINISHERの男女比
男性が女性の約2倍。
東京マラソン2023出走者の男女比は、「男子 76.4%/女子 23.6%」なので、それから考えると、女性の比率が非常に高い。
女性ランナーの方が、WMMやSIX STARに関する意識が高いということなのだろうか。
興味深い。
6★達成時平均年齢
50歳6ヶ月。
想像よりも高い年齢だったので、ちょっと驚いた。
ただ、よく考えてみると、まぁ、納得。
若いうちは、国内レースでのスピードやタイムを追い求めているランナーが多いだろうと思えるからだ。
ある程度年を重ねて、国内のレースだけでは飽き足りず(?)に、精神的にも時間的にも余裕ができたランナーたちが、SIX STARを目指すのかもしれない。
僕の周りには、僕より断然年下で、30代や40代での達成ランナーもたくさんいるんだけれどなぁ…。
マラソン大会別平均完走タイム
全コースを平均して、「ほぼサブ4」の4時間2分というのは、なかなか速い。
大会によっては、基準タイム(Qualifying Time)設けて出走ランナーを制限していることもあるから、これは納得。
ただ、コース別の順位はちょっと意外な結果だった。
高速平坦コースで知られるベルリンやシカゴのタイムが速くなるのはわかるのだけれど、東京が最下位とはなぁ。
どう考えても、ニューヨークの方が難コースだと思うのだけれど…。
ただ、これもちょっと考えてみると納得。
東京マラソンは、沿道にたくさん人がいるものの、応援は控えめ。
大多数の観客は、有名人や身内の応援にとどまっているような気がする。
その点、欧米のマラソン大会は、外国人に対して、実に熱い声援を送ってくれる。
僕も、一昨年のニューヨークシティマラソンで、沿道からの声援に、大きな力をもらったことを思い出す。
マラソン大会において、沿道の大声援は力を与えてくれるので、圧倒的な声援に包まれる大会は、タイムを押し上げてくれるのかもしれない。
*1:来年以降、ここにシドニーが加わる可能性は高いと予想されているが、未確定。