マラソンは、メンタルスポーツだ。
もちろん、基礎となる体力とスピードは必要だけれど、最後まで心折れずに走り抜くためには、心を鍛え、脳を騙す必要がある。
レースにベストな状態で臨むためには、それまでの練習法や日頃の体調管理なども重要になってくる。
何も考えず、ただがむしゃらに走るだけでは、決して好走できないのである。
…などと偉そうに書いてはみたものの、ヘッポコランナーの僕が言っても、全く説得力がない。
ただ、そんなメンタルを鍛えるための知識や、レースに臨む際のトレーニング方法については、「ランニングマガジンクリール」誌の購読で、つちかってきたつもりだ。
この雑誌は、毎号、ランニングに関するさまざまなノウハウを丁寧に紹介してくれているが、とりわけ、ここ数年の10月号が圧巻だった。
マラソンをベストな状態で完走するためのポイントを、「BEST100」形式で紹介する号となっていたのだ。
その素晴らしさについては、過去のエントリーで力説させていただいた。
これらの特集内容は、今でも時折読み返しているほど、僕にとっては有益なものになっている。
だから、来月発売される筈の10月号では、どんな形の「フルマラソン」「BEST100」を紹介してくれるのだろうと、僕は密かに楽しみにしていた。
…が、その期待は思わぬ形で裏切られることとなった。
今月届いた9月号で、こんなメイン特集が組まれていたからだ。
「ランが速くなる&楽しくなる100の方法」…?
《マラソン》じゃなくて《ラン》となっているし、しかも《BEST》じゃなくて、《方法》という表現に変わっている。
これは、例年10月号の特集とは、似て非なるものなのか?
慌てて次号予告を確かめてみたら、10月号のメイン特集は「ランニングシューズ」だった。
単に1ヶ月前倒しになっているだけなら問題ないのだけれど、特集の主旨が変わってしまっていることが残念。
もちろん、記事内容は非常に濃くて充実している。
レースに生かせる実践的な情報も満載だ。
ただ、特集の後半は、マラソンレースへの取り組みにこだわらず、健康的に楽しく走るための情報にフォーカスしている。
コロナ禍を経たことで、マラソンレースにこだわらない読者が増えてきたということなのだろうか。
まぁ、かくいう僕も、今はマラソンレースにこだわらなくなっているし、タイムも出ないので、こういった特集の方がむしろ向いているのかも知れないけれど…。