気がつけば、サロマ湖100kmウルトラマラソンまで、もう1ヶ月を切っていた。
あと30日。これから先は、一日一日が、サロマへのカウントダウンだ。
僕は、毎年この時期になると、サロマのことばかり考えていたし、サロマに向けて練習を重ねていた。
それぐらい、僕にとって、サロマは重要なレースだった。
しかし…。
残念ながら、今年は不出場になる。
サロマ湖のエントリーが行われた1月下旬。僕は、精神的にも肉体的にも不安定な状況にあった。
プライベートな環境も安定しているとは言えず、泊まりがけ必須のレースに出場できる保証がなかった。
だから、僕は今年、痛恨の思いで断念を決めたのだ。
「とりあえず出場権だけはとっておいて、後から考える」という手もあったと思うけれど、やっぱりダメだった。
サロマ湖100kmウルトラマラソンは、最果ての地で開催されるため、その出場権だけではなく、宿なり航空券なり、事前に手配しなければいけないことが多すぎるからだ。
僕は、毎年、ラン仲間と一緒に出かけており、友人と行動を同一にする必要があるので、尚更、《とりあえず》という敷居が高かった。
ということで、早々に見送りは決めていたので、後悔はしていない…つもりだった。
が…こうやってカウントダウンの時期になってくると、やっぱり、寂しさがこみ上げてくる。
この春以降、いろいろあったものの、今、エントリーができるならば、間違いなく申し込んでいただけに、悔しい思いに満たされる。
あぁ、なんで見送ってしまったんだろうなぁ…。
サロマが、僕にとって、特別なレースだったことは、過去のエントリーを読み直せば明白だ。
2012年。初めて出場した時の記録。
この年、僕は突発的にサロマ出場を思いたち、ツアーで単身参加したのだ。
レースレポートは、10回にも渡った。
【2012.サロマ湖100kmの完走を支えてくれたものたち】
今回、あらためて読み直してみると、初めてのサロマで味わった感動が鮮明に甦ってきた。
走破タイムは12時間18分。とにかくめちゃめちゃ疲れたけれど、その分、感動も格別で、たまらなかったことを思い出す。
翌年からは、ラン仲間とともに参加。
走破タイムは、11時間34分。
前年よりも大幅に縮めることができたし、レース後には、ラン仲間とその感動を分かち合えたことも嬉しかった。
翌、2014年。
この年のサロマは灼熱で、気温は26℃近くまで上昇したが、僕は、暑さをあまり苦にしない体質。
道中、水を浴びまくりながら走り続けた。
流石に後半はクラクラして、歩くことも多くなったが、ラスト1kmの地点で、待っていてくれたラン仲間の声に後押しされ、そこからはキロ5分の爆走。
結果、10時間59分で、一つの目標だった11時間切りを達成することができた。本当に嬉しかったことを覚えている。
2015年。
この年は気温が低く、絶好のレース条件だったし、練習も積んでいた。だから、当然、記録を狙って走った。
60kmまでは快調で、サブ10ペースで走れていたのだけれど、その後、大失速。
タイムは、10時間45分。なんとかウルトラ自己ベストは更新したが、悔いの残る結果になってしまった。
ということで、僕は、翌年こそ!と思ってレースに臨んだのだけれど…。
2016年。
11時間25分で完走はできたものの、心はボロボロだった。
この年の完走率はとても高かったので、多くのランナーにとっては、好条件だったと思うのだけれど、僕は、逆だった。
暑さには強いが、寒さには弱い。
冷たい雨がどうにもこうにも耐えられず、90km過ぎのワッカでは、リタイアさえ脳裏によぎったほどだ。
寒さに弱いくせに、防寒対策をしっかりとっていなかったという思いがあったので、僕は大いに反省した。
だから、こういったエントリーを書き、翌年は、同じ轍を踏まないようにしよう、と心に決めた。
筈だった。のに…。のに…。
無念の60kmリタイア…。
猛烈な雨と低温下でのレースとなり、僕は、容赦なく吹きつけてくる暴風雨に、心身共大きなダメージを受けた。
足が思うように動かなくなり、低体温症の症状まで出てきたため、60km地点に辿り着くのがやっとだった。
僕は、前年の轍を踏まえて、自分なりには防寒対策をとったつもりだったが、まだまだ甘かった。今振り返ってみても、自分の弱さ、甘さが泣けてくる。
あぁ、防寒対策を万全にとっていれば、違った結果だったかもしれないのになぁ…。と思っても、後の祭り。
そういった点も含めて、僕は、「弱い」ランナーなのだ。
だから。
今年のサロマは、リベンジの年になる筈だった。
よもや、3年連続悪天候にはなるまい。いや、もしなったとしても、今回こそは、どんな天気だろうと、万全の対策をとって臨めば走りきれる!と、思っていた。
それだけに、やっぱり、断念という結果になってしまったことは、痛恨だった。
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20ページ超を使った、圧巻の大特集で、ウルトラマラソンの攻略法が、みっちり掲載されていた。
特集トップページには、サロマの情景も掲載されており、それを眺めていたら、再び、出場できない寂しさがこみあげてきた。
でも。
今更後悔しても仕方ない。
サロマの地が逃げるわけじゃないので、来年に向けて、じっくり考えていくことにしよう。
幸い、僕には、岩本能史先生の素晴らしきウルトラ本がついている。
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この本は、毎年、サロマ出走の前に読み返して、僕に大きな力を与えてくれたし…。
昨年は、「完全攻略ウルトラマラソン」という、絶対のバイブルも発刊された。
とにかくハードな練習メニューが組まれているけれど、この本に従ってトレーニングしていけば、間違いなくウルトラは快走できる筈だ。
だから…。
来年は、来年こそは、断念となった今年の分も含めて、しっかりと練習を積み、今度こそ、リベンジを果たしたい。
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