携帯キャリア大手3社の、新料金プランが出揃った。
大手キャリアのデータ品質、通話品質を保ちながら、月間20GBのデータ容量を有し、かつ、1回当たり5分までの通話無料サービスも付属して、2,980円。
KDDIは月間2,480円であるが、1回あたり5分までの通話無料サービスをトッピングすると2,980円になるので、この条件であれば、3社横並びと言っていい。
いやぁ、安くなったものだなぁというのが第一印象。
これまでのバカ高い料金はいったい何だったんだ?と思えるほど。
もちろん、この新プランには制約がある。
オンラインのみの受付、店舗サポートなし、キャリアメール利用不可…などといった点だ。
だから、これまで店舗でのケアや、キャリアメールに依存してきた人にとっては注意が必要。
とはいえ、これまでの料金体系を大きく突き崩す革命が起きたことは間違いない。
大手キャリアにこんなプランを出されては、格安SIMを提供するMVNOへの打撃も必至で、今後、MVNO各社の料金プランも見直されていくだろう。
まさに、携帯電話料金の戦国時代突入だ。
企業側にとっては、なんとも厳しい時代になってきたが、利用者にとっては、夢のような時代になったと言える。
しかし、そんな激動の時代にあっても、一向に変わらないトラップが存在する。
「ナビダイヤル」の壁だ。
携帯電話利用者であれば、誰しも、0570で始まるこの番号には、苦々しい思いを抱いているのではないか。
ナビダイヤルは、各種通話定額サービスの対象外となってしまうからである。
前述の「1回あたり5分まで無料」サービスだけではなく、各社オプションとなっている「通話カケホーダイ」サービスにおいても、定額対象外となる忌々しいサービスだ。
ナビダイヤルに関しての僕の思いは、7年前のエントリーで詳しく書かせていただいた。
この当時は、まだ、携帯電話各社の「通話定額」サービスが始まったばかり。
ナビダイヤルを導入している企業もそれほど多くなかったから、今ほど、皆、困ってはいなかったようだ。
しかし、その後、ナビダイヤルを導入する企業が激増。
特に、お問い合わせ系の電話番号は、軒並みナビダイヤルへと変更になっていく。
それだけ、導入企業側にとってはメリットの大きいシステムということなのだろう。
その理由は、ナビダイヤルの運営会社である、NTTコミュニケーションズのHPを見るとよくわかる。
ナビダイヤルの紹介ページは、法人向けのものしか用意されておらず、「ナビダイヤルを導入すると、こんなに便利になりますよ!」という視点でのみ構成されている。
導入企業側の視点でしか考えられていないシステムなのだ。
曲者なのが、
通話料金は発信者負担
という売り文句で、これだけならば、「発信者が払うのはおかしくないだろ?」と言われそうだけれど、正確に表記するなら、こうだ。
通話料金は発信者負担で、かつ、携帯電話会社の通話無料サービス対象外。
携帯電話での通話定額が当たり前になってきた時代に、それを対象外とするシステムなのだから、(企業側にとっての)入電抑制効果は抜群。
裏の世界(?)では、これを売り文句に、企業側への導入が進められているんじゃないかと、僕は邪推している。
利用者側の立場として、ナビダイヤルが腹立たしいのは、無料通話枠対象外、という点だけじゃない。
ナビダイヤルの電話番号には、LINE電話やIP電話などからかけることもできず、海外からも繋がらない。
とにもかくにも使いにくい、割高なサービスだと思っている。
ガイダンスが流れている間や、保留中にも、料金がかかってしまうのも問題だ。
かつて僕は、その洗礼を受けたことがある。
今読み返しても苦々しい思い出だ。
前述の通り、政府の改革に伴い、携帯会社の電話料金は、あらたな競争ステージに突入し、ユーザーにとっては、利用しやすくなってきた。
しかし、どんなに携帯会社の利用料金が安くなろうが、こと、ナビダイヤルに関してだけは、治外法権的な状況なのである。
僕には、これがどうにも釈然としない。