ナビダイヤルの問題点に関して、僕は、これまでのエントリーで何度も書かせていただいている。
何より最大の問題点は、「通話料金が発信者負担で、かつ、携帯電話会社の通話無料サービス対象外。」ということだ。
このことは、携帯電話会社における《かけ放題》契約時、利用者に予め告知されている。
だから、利用者側で予め理解しておくべき、と言う意見もある。
しかし、例によって小さな文字で注意書きされているだけなので、見逃している人も多いようだ。
利用者がナビダイヤルの電話番号にかけると、《この通話は、××秒ごとに、およそ××円の通話料金がかかります》などという音声案内が流れるものの、「自分は、かけ放題契約をしているから関係ない」と思いながら通話し、いざ請求が来てびっくりするというパターンが発生する。
この不完全な音声案内は、これまで延々と放置されてきたが、ようやくそれが一部見直される流れが出てきた。
ワクチン受付の電話番号に、ナビダイヤルの使われるケースがあり、それに伴うクレームが殺到したことで、音声案内のガイダンスが見直しになるようだ。
ナビダイヤルを提供するNTTコミュニケーションズにおいて、6月中には案内が見直されるよう、対策を急ぐとのことらしいが、個人的には、今更かよ!という思いがした。
僕は、2014年のエントリーで、こう書いているからだ。
今後は、通話定額の流れが進むのだから、「この通話は、××秒ごとに、およそ××円の通話料金がかかります」だけの案内では不十分だ。
それに加えて、「この通話は、各携帯電話の無料通話分、カケホーダイなどの定額通話分の対象外になります」という告知も必要だと思う。
この当時から問題点だったのに、7年以上も放置してボッタクリ三昧。
今回、大きな騒ぎになって、ようやく改正する流れになったというのが、どうにもこうにも腹立たしい。
しかも…。
ナビダイヤルにおける根本的な問題は、まだ解決していない。
ワクチンなどの受付電話においては、オペレーターに繋がるまで、延々と保留されてしまうケースも多々あるが、その間にも延々と課金され続けてしまうからだ。
相手に繋がってもいないのに、いったいなぜ、利用者が莫大な料金を払わなければいけないのか。
利用者の立場としては、不満が募るのも当然だろう。
ナビダイヤルは、それを導入する企業側にとっては、「オペレーションの簡略化」「サポート担当者の負担軽減」などのメリットがあるのかもしれない。
しかし、そんなメリットは、企業側の論理に過ぎず、携帯電話利用者にとっては百害あって一利なしだということが、もっと広く認知されて欲しい。
今回の音声案内追加は、今更すぎる対応だし、そもそも、ナビダイヤルの問題解決には至っていない。
ただ、今回のワクチン受付問題で、ナビダイヤルの害悪が世間に周知されるようになったのがせめてのも救い。
これをきっかけに、ナビダイヤルそのものが大きく見直されることを願うばかりだ。