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極上の至福を味わった、今子青佳書道展/筒井康隆『残像に口紅を』トークイベント

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今子青佳書道展/筒井康隆『残像に口紅を』の素晴らしさについては、昨日のエントリーで詳しく紹介させていただいた。

僕が展示会場を訪れたのは、一昨日の日曜日。この日は、会場で特別なイベントが開催される日でもあった。

それは、筒井康隆先生と今子青佳先生による、何とも豪華なトークイベントだ。

イベントについては、筒井康隆先生の公式Twitterアカウントでも、紹介されている。

そう。

そんな盛り沢山なトークイベントに、僕は、僥倖にも参加させていただくことができたのである。

筒井康隆先生のご厚意により、写真撮影OK*1ということになっていたため、お言葉に甘えて、講演の邪魔にならない範囲で、何枚か撮影させていただいた。

「残像に口紅を」の朗読を終了された直後の筒井康隆先生。

朗読の前には、「残像に口紅を」に関連した、貴重なお話を聞かせていただいた。

ジョルジュ・ペレックというフランスの作家が、フランス語において、最も使用頻度の高い《e》を使わずに長編を書いていたこと。

そのジョルジュ・ペレックが、自作の「上下左右」と同じ《アパート縦割り小説》という手法で、大作を上梓したこと。

そんなジョルジュ・ペレックに触発され、《文字落とし》の小説を書きたくなり、ちょうど中央公論社から連載の依頼を受けたため、「残像に口紅を」が誕生することになったこと。

「残像に口紅を」は、章を追うごとに使える文字が減っていくので、その執筆にはおおいに苦労したこと。

作品発表から30年近く経って、「アメトーーク!」やTikTok で話題になり、増刷を重ねたこと。

いやはや、実に興味深い話ばかりで、僕は思わず唸ってしまった。

その後の「残像に口紅を」自作朗読では、第28章のベッドシーン、そして、使える音が10個しかなくなった56章からラストまでを、先生の素晴らしいバリトンで聞かせていただき、感激の極みだった。

「残像に口紅を」は、もう何度も読み返しているのだけれど、先生自身の朗読という形で聞いてみると、僕は、あらためてその凄さを実感した。

朗読後は《第二部》として、筒井康隆先生と、今子青佳先生の対談が実施された。

この対談においても、実に興味深い話を聞かせていただいた。

今子青佳先生曰く、「残像に口紅を」全文を書にする試みについて、最初の頃は目処が立たないほど苦労したが、終盤では寂しさを感じるようになり、一気に書き上げたとのこと。

僕は、このイベント前に「残像に口紅を」の書道展を見て、その終盤の迫力に唸っていたが、それにはこういう理由があったのだなぁ…と、得心した。

他にもさまざまなお話を聞かせていただき、僕は極上の至福に包まれた。

イベント終了直後、今子青佳先生に拍手を送る筒井康隆先生。お二人の笑顔が素晴らしい。

トークイベントの模様は、場内で撮影されており、後に公開されるようだ。

この日の感動がWebでまた味わえると思うと、実に嬉しい。

*1:朗読時間中以外に、節度を持って撮影という条件あり。これは至極当然のこと。撮影させていただけるだけでも感謝の極み。


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