至福のイベント、ふたたび。
菊地成孔さんとのトークセッションに続く、「筒井康隆展」の記念イベント第二弾が、昨夜行われた。
今回、筒井先生についての熱い思いを語るのは、なんと…。
中川翔子さん。
そう。誰もが知っている、あの人気アイドルのしょこたんだった。
しょこたんは、昔から筒井先生の大ファンであることを公言しており、昨日は、本当にそれが間違いないことを、思いっきり証明してくれた。
筒井先生によると、前回の菊地成孔さんとのトークセッション同様、今回も、事前の打ち合わせは行われなかったとのこと。
しかし、イベント慣れしているしょこたんにとっては、そんなことは全く問題ではなく、始まった途端に、マシンガントークが炸裂。
しょこたんは、まず、大好きな作品として、以下の短編たちを挙げた。
- 亡母渇仰(家族八景)
- 走る取的
- 農協月へ行く
- 死にかた
- 寝る方法
- ホンキイ・トンク
- 人類の大不調和
- 蟹甲癬
- コレラ
いやはや何とも渋いセレクションではないか。
筒井先生の《いわゆる》メジャーどころの作品ではなく、こういった短編たちを取り上げるセンスが素晴らしい。
しょこたんは、万博の誘致大使にも選ばれていて、2025年の大阪万博実現に大きく貢献したのだけれど、そもそも万博を知るきっかけとなった作品が、筒井先生の「人類の大不調和」だったということに驚いた。
あの作品は、タイトルからも明白*1な通り、前回の大阪万博に対してのパロディ。
そして、その内容は、いかにも筒井先生らしい、ブラックユーモアに満ちあふれた作品だからだ。
それ以外の作品も、ブラックユーモア色の強いものが多く、グロテスクな描写を含んでいる作品もある。しかし、それがしょこたんの嗜好。
「農協月へ行く」と「寝る方法」は、特に気に入っているようで、対談中、何度も何度もその素晴らしさを力説し、時には、その内容を暗唱までしてみせた。いやぁ、ほんとに頭の回転が速い。
そして、何より、筒井先生の作品に対する深い愛が感じられて、僕はたまらなく幸せな気分になった。
作品に関しての愛、だけではない。筒井先生への熱い思いも、語りまくり。「同じ瞬間に生きている幸せ」「神の脳味噌」「この宇宙で筒井先生だけ(しか書けない)」等々…。
そして、極めつけは、この一言。
「食事、睡眠、筒井康隆!」
とまで言い切った。素晴らしい!
食事や睡眠と同列。すなわち、筒井先生なくしては、生きていけないということ。
まさに得心したので、僕も、今後は、その言葉を抱いて生きていこうと思う。
しょこたんの熱い思いについては、トークイベント直後に更新されたつぶやきからも伝わってくる。
筒井康隆先生と対談!脳みそを塗り替えてくださった巨匠に直接お会いできて大好きな走る取的や寝る方法や農協月へ行くや死に方について、近未来や創作の方法や食べ物、いっぱい話せて幸せすぎる世界線に生きてしまった、、!ガチ勢ツツイストの皆様の愛も素敵。先生がbluemoon宣伝してくださって感激🌙 pic.twitter.com/pzxKTLglbh
— 中川翔子🌙bluemoon🌕 (@shoko55mmts) December 1, 2018
この日、しょこたんは、筒井先生のイベント後も予定が入っていた。
彼女のニューシングルである「blue moon」の発売記念イベントが控えていたのだ。
筒井先生が、その曲の名前を挙げると、しょこたんは、雄叫びを上げて、飛び上がるほどの喜びを表した。
また、先生が、(「blue moon」のイベントが控えてなければ)自作の朗読をして欲しかったと告げると、大いに驚き、そして、心から残念そうな表情を浮かべていた。
もしも後に予定が入ってなければ、しょこたんは、絶対にチャレンジしていただろうと思う。
「いつか絶対に朗読の機会を設けさせて下さい!」と言い募っていたのは、そんな彼女の、心からの思いだろう。
トークイベントの終了予定時刻になっても、しょこたんの話は止まらなかった。
いやぁ、本当に、筒井先生が大好きで、そして、最高に素敵な女性なんだなぁと、僕はあらためて感服した。
それは、僕だけでなく、会場に集まった「ガチ勢」ツツイスト(しょこたん・談)も同じ思いだったと思う。
新曲も、ちょっと聴いてみたくなった(^^;
blue moon(初回生産限定盤)(DVD付)
*1:前回1970年の大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」だった。