パナソニックから、高倍率ズームを搭載したコンデジ「LUMIX TZ99」が発表された。
概要 デジタルカメラ DC-TZ99 | LUMIX(ルミックス) ミラーレス一眼カメラ・デジタルカメラ | Panasonic
発売は来年の2月20日。
2022年11月に発売された「LUMIX TZ95D」のマイナーチェンジといった趣で、新機能は、動画撮影のサポート強化とUSB Type-C端子搭載といった程度。
光学ズーム倍率は、前モデルと変わらず30倍のまま。
僕は、今までUSB Type-Cが搭載されていなかったのか…と驚いたが、それでも、こうやって新製品が出てくれるだけで、ホッとした。
前モデルから2年3ヶ月ぶり、それもマイナーチェンジとはいえ、未だ高倍率コンデジの未来は終わっていない、と思えたからだ。
約1年前、僕は、高倍率コンデジの未来を憂いて、こんなエントリーを書いた。
スマホカメラは、このエントリーを書いたあとも進化の勢いが止まらず、最近は、ライカとやハッセルブラッドとの共同開発カメラを搭載したモデルが大きな話題になっている。
単なる日常のスナップを残すだけなら、スマホで十分以上だし、一昔前のコンデジなんかより、よっぽどいい絵が簡単に撮れる。
しかし…。
無敵と思えるスマホカメラで、どうしても到達できない壁がある。
それが、超高倍率の光学ズームだ。
今年、ライカレンズ&大型センサー搭載で「カメラそのもの」とまで言わしめたXiaomi 14 Ultraにしても、光学ズームは5倍にとどまっている。
デジタルによる補正で、最大120倍(!)までのズームに対応し、20倍、30倍程度の倍率なら、光学と見まごうような撮影も可能。
ただ、それはやっぱりあくまで「疑似」光学ズームであり、実際に光学ズームで撮った写真の方が優れていることは間違いない。
だからこそ、まだ高倍率コンデジの需要はあり、LUMIXの新製品も発売されるのだと思う。
そう考えた時、僕がどうしても不思議でならないことがある。
Canon PowerShot SX740 HSの後継機が、なぜ出ないのかということだ。
2016年。
PowerShot SX720 HSが発売された時、大きな話題となった。
前モデルのPowerShot SX710は、光学30倍ズーム搭載だったが、筐体サイズを巨大化させることなく、光学40倍ズームに進化したからだ。
競合する他社モデルは30倍ズームに留まっていたので、頭ひとつ抜けた形。
その後も、コンパクトな300g程度のデジカメで、これだけのズーム性能を持つ製品は、他に登場しなかったため、爆発的な人気を博した。
だからこそ、720→730→740と、毎年モデルチェンジを重ねたのだろう。
しかし…。
2018年の夏に発売されたCanon PowerShot SX740 HSを最後に、その進化はストップ。
CanonのWebサイトでは、未だ現役モデルという位置づけになっている。
同社のオンラインショップには、「購入する」ボタンもあって、未だ注文を受けつけているかのような雰囲気だ。
ただ、納期未定扱いとなっており、いざカートに入れても注文を完了させることはできない。
実質的には終売扱いと言っていいだろう。
しかし、人気は沸騰しており、僅かに残った市場在庫の価格は8万円超。
発売当初は5万円台で購入でき、価格改定後も66,000円のコンデジが、発売後6年も経っているのに値上がりするとは!
現状は、中古でも、まともに動く製品は5万円以上する価格となっており、圧倒的な人気だ。
スマホカメラ全盛の今でも、こんなに価格が高騰しているということは、それだけ、この超高倍率コンデジには需要があるということだろう。
だからこそ僕は、このコンデジの後継機が出ないことが、不思議でならない。
パナソニック「LUMIX」シリーズ程度のマイナーチェンジでも構わないので、今こそ740の後継機を出して欲しい。
スマホカメラとの差別化もできる筈だし、絶対売れると思うんだけれどなぁ…。