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本好きとして悲しくなる「新潮社×百田尚樹氏」の炎上?商法【追記あり】

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僕は、百田尚樹氏の著作を、これまで読んだことがない。

そして今後も、その著作とは無縁で生きるだろう。

とにもかくにも、この作家の人間性(挙動、発言、その他いろいろ)が、どうにも好きになれないからだ。

百田氏は、ベストセラーを多数生み出しているから、人気作家と言えるのだろうし、実際、いい作品もあるのかもしれない。

僕は、根本的に「著者の人間性」と「作品の価値」は別に論じられるものだとは思っているから、それは否定しない。

だから単に、僕の《読まず嫌い》ということもあり得る。

ただ、もともと僕の好きなジャンルの作家でもないため、無理して読む気も起きなかった。

僕とは違う世界に住む作家と割り切って、その存在を無視していくつもりだった。

しかし…今回ばかりは、やっぱり見過ごせなかった。

僕のTwitterタイムラインに、目を疑うようなツイートが、次々と流れてきたからだ。

それもその発端が、伝統ある文芸出版社、新潮社のツイートなのだから驚いた。

百田尚樹の最新小説『夏の騎士』をほめちぎる読書感想文を募集!


このアカウントをフォローの上 #夏の騎士ヨイショ感想文 をつけて
感想をツイートして下さい。※ネタバレは禁止


百田先生を気持ちよくさせた20名の方に、ネットで使える1万円分の図書カードを贈呈!

新潮社 on Twitter

『夏の騎士』をほめちぎるヨイショ感想文募集?

著者を気持ちよくさせた人に図書カード??

本当にこれは、新潮社のTwitterアカウントで書かれたものなのか?

乗っ取りにでもあったのではあるまいか?

そう思った。

しかし、これは事実だった。

同社のツイートには、文章だけでなく、キャンペーン画像もついていた。

しかし、それを僕のブログにそのまま貼るのは、生理的に耐えられないので、引用からは外させてもらった。

イメージとしては、こんな画像だ。

f:id:ICHIZO:20191005150533j:plain

モザイクの部分には、金粉を塗った裸の著者が、図書カードと著作を持って、ニタッと笑っている姿が写っている。

はっきり言って、正視に耐えなかった。一体何なんだ。この茶番は。

僕は、図書カード目当てのヨイショ感想文ツイートで、快感を感じる著者の心理を想像し…背筋がゾッとした。

このノリから考えて、著者からの売り込みということも十分あり得る。

しかし、たとえそうだとしても、そのアイデアに「乗って」しまった時点で、出版社も同じ穴の狢だ。

これが、数々の名作文芸書を生み出してきた、伝統ある新潮社のやることか…。

僕は、本当に悲しくなってしまった。

唯一の救いは、Twitter上で、「#夏の騎士ヨイショ感想文」のハッシュタグが、まともに機能していないこと。

出版社が募集しているヨイショツイートは皆無。

このタグをつけたツイートの殆どが、出版社や著者をディスる内容となっていて、さながら大喜利大会の様相。

いやぁ、同じことを思っているのが僕だけじゃなくて、ホッとした。

やっぱりみんな、この企画には不満を感じているのだ。

まぁ、これも含めて「話題になれば勝ち」だという、いわば炎上商法なのかもしれない。

本が売れない時代、何でもありということなのかもしれない。

しかし、僕は、他ならぬ新潮社にはそんな売り方をして欲しくなかった。

だからやっぱり、とても悲しい。 

【追記】(10月6日)

大喜利大会が収集つかなくなったためか、1日で中止になった。

出版社の当該ツイートは既に削除されて、その代わりにお詫びのツイートがされている。

「夏の騎士ヨイショ感想文キャンペーン」についてお騒がせをし、申し訳ございません。多くのご意見を受け、中止とさせていただきます。

尚、既にご参加済みの方に対しては、追ってアナウンスさせていただきます。

今回皆様からいただいたご意見を真摯に受け止め、今後の宣伝活動に活かして参ります。

新潮社 on Twitter:

企画が中止になったのは(不快な画像を見なくて済むため)喜ばしいことだけれど、このツイートにもやっぱり不満。

何ら具体性がなく、お詫びテンプレートに当てはめただけ、という気がするからだ。

同社宣伝部が公式に発表したコメントも酷い。

読者の皆様に楽しく参加していただこうとした宣伝手法でしたが、当方の意図とは違う形で受け取り、不快に思われた方がいらっしゃったとしたら遺憾に思います(共同通信)

百田尚樹氏の小説「ほめちぎる」キャンペーン 批判受け中止 新潮社 - 毎日新聞

遺憾に思います??

「遺憾」というのは謝罪の言葉ではない。

要は、自分たちの宣伝手法は《間違っていない》が、違った意図で受け止められてしまったことが《残念である》と言っているだけ。

宣伝部がそんな神経でいる限り、いずれまた、同じ失敗を繰り返す気がする。

あぁ、僕の大好きだった新潮社、文芸の雄である新潮社とは、もはや別物になってしまったんだろうなぁ…。

僕は、それがとっても遺憾だ。

はだかの王さま

はだかの王さま

 

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