「ヨコジュン」という愛称で親しまれた、SF界の鬼才、横田順彌先生が亡くなってから、はや、1年が経つ。
僕の思いについては、1年前のエントリーで書いたから繰り返さないけれど、ヨコジュンは、僕がこよなく愛したSF作家のひとりだった。
僕は、今でもその著書を読み返しているし、SFマガジンの追悼特集は、僕の宝物になっている。
個人的に痛恨だったのは、昨年神田で開催された追悼展に、都合が合わずに行くことができなかったこと。
ヨコジュンは、SF界屈指のコレクターだったから、そのコレクションは見ておきたかったのだけれどなぁ。
と、思っていたら…。
追悼展で大きな注目を集めていた「ヨコジュンの読書ノート」が、昨年末、書籍として復刻されたという情報を知った。
当初は、コミケのみの限定発売だったようだけれど、今年から、通販でも入手出来るようになったので、もちろん、ゲット。
そして…。
昨日届いた。
いやはやこれはたまらない。
1960年代に、ヨコジュンがリアルタイムで読み耽ってきたSF名作の数々。
それらに対する感想文が、ヨコジュンの手書きの文字そのままで復刻されているのだ。
僕は思わず胸が熱くなった。
何しろ、登場する作家陣が凄すぎるのひとこと。
アシモフ、クラーク、ハインライン、ブラッドベリ、ディック、シェクリイ…。
小松左京、星新一、眉村卓といった面々も、まだ、「デビューしたばかり」の作家として登場。
もちろん、僕が最も敬愛する筒井康隆先生の著作感想文も掲載されている。
この読書ノートには、そういった方々の作品に対する、忌憚のない感想が綴られている。いやはやこれは実に貴重な記録だ。
また、読書ノートだけでなく、映画鑑賞ノートも載っており、当時の映画状況を知る貴重な資料にもなっている。
いやぁこれは本当にたまらない。
ヨコジュンファンはもちろんのこと、60年代のSFファンなら絶対に必読。
僕も、60年代のSFを愛しているが、この「読書ノート」には、まだ読んでいない本が沢山掲載されていて、思わず、どれもこれも読みたくてたまらなくなってきた。
SFファンにとって、永久保存版の1冊だ。超オススメ。