「孤独のグルメ」シーズン5。
その第8話に登場する、代々木上原の「ガテモタブン」に行ってきた。
《世界一辛い》と言われるブータン料理の店だ。
動画の中で、五郎さんが汗だくになりながら食べている「エマダツィ」には恐れをなしたが、でも美味しそうだった。
僕は辛さが得意というわけではないのだけれど、同伴者は辛さに無敵だったので、その点は心配なかった。
そもそも僕は、「モモ」(チベット文化圏における餃子)を食べられれば満足だったからである。
ブータン料理の店「ガテモタブン」は、代々木上原駅から徒歩数分。
急な坂道を登り切ったところにあった。
この店が、孤独のグルメの第5シーズンに登場したのは2015年。
それから7年が経ち、店はほんの少しだけ移転し、そして、3階建てになっていた。
店名を表示する看板もないが、異国的なのムードを醸し出している。
店の入口には、ベートーベンの石像が置いてあった。
ブータンとベートーベンに、いったいどういう関係があるのだろう?と思ったが、店の公式Webサイトによれば、「なんとなく質量感が欲しかっただけ」とのことだったw
入店。
1Fはカウンターのみ5席だけ。孤独のグルメ登場時は、1Fにテーブルが並んでいたので、全くイメージが違う。
僕らは2Fに案内された。
店内装飾もブータン調だ。
ブータンの地ビール的なものがあれば飲みたかったのだけれど、そういったものはなかったので、結局注文したのは…。
サッポロ赤星w
異国情緒が台無しだけれど、まぁ、料理にはぴったり合ったので、意外とこれが正解なのかもしれない。
注文する料理は、五郎さんが食べたものをなぞることに決めていた(ミーハーだねぇどうも)ので、まずは、「ホゲ」をチョイス。
これは、きゅうり、紫玉葱、コリアンダー、かぶ、トマト、カッテージチーズを山椒と粉唐辛子であえたもの。
辛さ度数は「1」だったので、これならば僕でも余裕…の筈。
さまざまな具材の食感がいいし、カッテージチーズ、山椒、唐辛子の味わいが絶妙。
コリアンダーが良い仕事をしていて、やみつきになりそうなサラダだ。
五郎さんが「ホゲー!」と叫びながら、美味しそうに掻き込んでいたのが頷ける。
そして。
「エマダツィ」がやってきた。
辛さ度数は、MAXレベルの「6」。ブータン料理のラスボスだ。
何しろ、唐辛子とチーズだけ!で作られた料理なのである。
ブータンでは、唐辛子は野菜扱いで、1日3食食べる人もいるという。
いやはや、ブータン恐るべし。
僕は恐る恐る唐辛子ひとかけらを食べ、スープを飲んでみた。
ん?
確かに、辛いことは辛かったが、壮絶というほどではなかった。
まぁ、僕は結局ひとかけらを食べただけで、あとは全て同伴者に任せてしまったのだけれど^^;
この店で僕が一番気に入ったのは、やはりこれ。
もちろん「モモ」だ。
モモにはエヅェ(粉末唐辛子を玉葱と油で炒めた物)が添えられており、これを一緒に食べる。
粉末唐辛子を炒めたもの…というとなんだか辛そうだけれど、個人的には、辛さを殆ど感じなかった。
こんなにたっぷり乗せても、まったく問題ない。
モモの具は、豚肉と玉葱。玉葱の甘さが実にいい。ほんとにいい。
エヅェにも玉葱が含まれているので、これは玉葱料理なんじゃないかと思うほど。
甘くて優しいその味わいに、僕の心は癒やされた。
あれっ?
僕らは世界一辛い料理を食べに来た筈なのに、なんだかちょっとおかしいぞ。
他の料理も注文して、確認しなければ。
五郎さんも食べたバクシャバ。
豚バラ、大根、唐辛子を煮炒めした料理。辛さレベルは「3」だったが、全く問題なし。
豚肉が最高に美味しくて、煮汁も濃厚。これ、ご飯にかけたら美味しいだろうなぁ…。
実際、五郎さんはそうやって食べていたが、僕は、ビールを飲むとご飯を食べられなくなってしまうので、断念。
ただ、これは今度是非、ご飯と一緒に食べてみたい。
ジャシャマル。
鶏肉、トマト、唐辛子を煮炒めした料理。辛さレベルは「2」で、実にマイルド。
バクシャバと同じ煮炒め料理だが、その味わいは全く異なっていた。
鶏肉が実に柔らかく煮込まれており、口に入れると、ホロホロと崩れる味わいが絶妙。
これは、ご飯というよりもお酒のアテ。赤星には最高にマッチした。
この店は、メニュー数が少なく、あと数品しかなかったので、どれにしようか迷ったが、結局モモ4個を追加注文。
それぐらい、この優しい味わいのモモは美味しかった。
食べログなどの情報では、「チーズモモ」という料理もあって、僕はそれも楽しみにしていたのだけれど、店のリニューアルに伴い、一時休止しているとのこと。
この優しいモモの味わいには、チーズが絶対に合う筈。
「チーズモモ」の提供が再開されたら、是非ともまた訪れたい。