圧巻。
AIRLINE 2018年2月号
「流石、エアライン!」と唸ってしまう、渾身の企画だ。
日本航空(JAL:赤組)と全日本空輸(ANA:青組)は、日本を代表する二大フラッグキャリアだから、その比較は、過去さまざまな雑誌で行われている。
また、Webでも、ちょっと検索すれば、比較検証の記事は多数見つけることができる。
しかし、今回のこの比較特集は、質量ともに抜きん出ていて、別格。
まさに、「月刊エアライン」の凄さを感じさせてくれるものになっている。
「月刊エアライン」誌での両社比較特集は、今回が初めてではなく、これまでも定期的に行われている。
4年半前、僕が初めて買った「月刊エアライン」も、JALとANAの比較特集だった。
2013年7月号。「日本のエアライン対決 JAL × ANA」特集。
僕は、この特集に痺れて購入し、以降、「月刊エアライン」誌の虜になってしまったことを思い出す。
ただ、この号では、全30テーマ、30ページ程度の特集だったので、今から考えると、まだ地味だったと言えるかもしれない。
2年後。
2015年9月号。
「二大エアラインを徹底比較! ANA×JAL」特集では、60ページにわたる特集にパワーアップした。
そして今回。2018年2月号では…。
全60テーマ。80ページにも及ぶ総力特集。
いったいどこまでパワーアップしていくのだろう…。「月刊エアライン」恐るべし、だ。
《直接対決》と銘打たれてはいるものの、テーマごとに勝敗をつけたりはしていない。
どのテーマに対しても、冷静に、それぞれのフラッグキャリアの立場に立って、分析が行われている。
そのため、どちらのキャリアのファンであっても、心地よく読める。
そう。
これはあくまで、非常にわかりやすい比較記事であり、対決記事にはなっていないのだ。
航空ファンの心理に立った、愛に溢れる「エアライン」ならではの記事作りに、僕はあらためて好感を持った。
僕は、JALで修行を行ってきたので、基本的には赤組の人間。
マイレージプログラムの比較記事を読むと、あの修行の日々が甦ってきた。
もう、あれから4年も経つのかぁ…。
ただ、そんな赤組の僕であっても、今回は知らないことだらけだったし、ANAのことはさらによくわからなかったので、実に興味深く読んだ。
「月刊エアライン」の誌面は、実に上質な紙を使用しており、美しいグラビア写真が大きな特徴。
今回の特集でも、両社機体の比較などでは、そのメリットが十分に生かされていた。
電子書籍などでは置き換えが効かない、まさに、「紙媒体」の素晴らしさを感じさせてくれる雑誌なのだ。
比較テーマは多岐にわたっていて、中には、これまでの号にはなかった、実にマニアックなものまで含まれていた。
機内アナウンスの比較!
搭乗時と着陸時。しかも、英訳バージョンまでついている。
これらは両社が公式発表しているわけではないと思うので、「月刊エアライン」の独自取材(?)に基づくものだろう。
いやはや恐れ入った。
硬軟とりまぜた、バラエティに溢れる、渾身の比較特集。これは完全保存版だ。
かれこれ1時間以上、僕は読み耽ったろうか。
赤組の人間としては、隣の芝生さながらに、ANAが青く、眩しく感じ、今度は青組で修行をしてみたいなぁと思ったりもした。
今回の号には、毎年2月号恒例の、キャビンアテンダントカレンダーも付属している。
全日空のCA写真が表紙を飾っていて、青組歓喜!といったところ。
もちろん、カレンダーページには、JALのCA写真もあるし、スカイマークやスターフライヤーのCAが載っている月もあるので、CAマニア(?)にもオススメだ。