札幌遠征初日。
北海道マラソン受付会場の大通公園から数百メートル歩いて、僕はその店に辿り着いた。
「さっぽろぎょうざやさん」だ。
札幌にある餃子店だから、さっぽろぎょうざやさん。
ストレートな店名だけれど、それだけに尚更、餃子への自信と熱い思いが感じられる。
店の入口にも、そんな餃子へのこだわりを感じる貼り紙が、多数掲示されていた。
入店。
店内は、カウンター席とテーブル席がいくつか。
それほど広くはないけれど、小綺麗で、ジャズが流れている。とても優雅な雰囲気だ。
その雰囲気に誘われてか、僕のすぐ後に、外国人観光客の方が入店。
日本語は全く話せないようだったが、マスターは流暢な英語で対応しており、凄いなぁと思った。
漏れ聞こえてきたマスターとの会話によると、ブラジルから来たとのこと。
するとマスターは、早速「Olá(こんにちは)」「Obrigado(ありがとう)」と、ポルトガル語で挨拶していた。
なんだかとても格好よくて、思わず感服。
インバウンド需要の取り込みは完璧だw
そんな微笑ましいやりとりを聴きながら、僕は、やおらメニューを眺める。
その扉には、店主から餃子への思いが綴られていた。
ごはんと楽しむ餃子。
説明や解説がふんだんに掲載されており、実にわかりやすい。
これとは別に「お酒と楽しむ餃子」というページもあったが、餃子の内容も値段も一緒だった。ランチタイムだからお得ということではないらしい。
ただ…。
数量限定で「焼きぎょうざ御前定食」というものがあった。
餃子ライスに、味噌汁やサラダなどがついたもので、それぞれ単品で注文するよりもお得になるようだ。
ということで、これを注文。餃子の数は6個、8個、10個とあり、少し迷ったが、迷った時は真ん中の法則(?)に基づき、8個セットを注文。こんなものがあったので、これを注文。
その後は、料理が出てくるまで、店内を眺めて過ごすことに。
カウンター周りには、餃子へのこだわりを表す文書が、沢山置かれていた。
オールカラーで、写真イラスト入りの紹介シート。
餃子への熱い思いが、手書きでびっしり書かれているシートもあった。
昼の定食だけでなく、《餃子飲み》にも力を入れており、つまみメニューも充実。
ちょこっと定番おつまみの他…
日替わりのおつまみメニューも充実。
お得な晩酌セットというものもあった。(昼飲みも可とのこと(^^;
あぁ、レースの前日でなければ、つまみと餃子とビールで楽しみたかったんだけれどなぁ…。
カウンターの後ろには、「さっぽろぎょうざやさん」の詩(?)も掲げられていた。
何でもスマートにこなしそうなマスターの雰囲気からして、これも自筆なのではないかと推測。
待つこと20分程度…ついに。
「焼きぎょうざ御膳定食」が登場!
皮から手作りの餃子は、上品な焼き色で、見るからに美味しそうだ。
この御膳定食には、野菜がいっぱいついてきたのも嬉しかった。
ミニサラダ。
冷やしトマト。
さつま揚げとキムチ。
どれも小品ながら、丁寧に作られているのがわかる。
僕は、これらの野菜類に舌鼓をうちながら、主役のコンビにとりかかった。
もちろん、餃子とご飯だ。
餃子は、下味がついているとのことで、ニンニクも入っていない。
ただ、お好みでこれをつけて食べることが推奨されていた。
自家製のにんにくラー油としょうがラー油。
この「ラー油だけ」をつけて食べることが推奨されていたのである。
早速囓ってみる。
うん。旨いぞ。流石手作り餃子といった味わいで、普通に美味しい。
肉と野菜のバランスが良くて、じゅわっと肉汁も感じられる。
そのままでも十分美味しいが、にんにくラー油をつけると、パンチが増した。
味噌汁も具だくさん。
エリンギまで入っていて、実に味わい深かった。
餃子御前定食(8個)の価格は1,640円もするので、決して安くはない。
ランチタイムということを考えると、かなり強気な価格設定という気がする。
ただ、ひとつひとつ丁寧に作られているし、店内の雰囲気も良かったので、優雅なひとときを過ごすことができ、僕は十分満足だった。
この店には、水餃子もあるのだけれど、「焼」と「水」では、野菜や小麦の配合が違い、食感も味わいも異なるとのこと。
今度訪れるときには、是非水餃子を味わってみたい。