「将棋世界」は、昭和12年(1937年)に創刊。
長い歴史と伝統を誇る、将棋界唯一の専門月刊誌だ。
僕は現在定期購読中なのだが、そんな「将棋世界」の最新号が、先週末に届いた。
今月も、その表紙は藤井聡太竜王・名人(王位・叡王・棋王・王将・棋聖と合わせて七冠)*1が飾った。
誌面上では、まだ名人戦七番勝負が進行中であり、第4局「最年少名人&七冠に王手」という状況になっているが、その後、第5局であっさり勝って名人位を獲得してしまった。
次号の8月号では、名人位獲得のニュースとともに、藤井聡太七冠の写真が表紙を飾るだろう。
先週末に行われた棋聖戦の第1局では、ベトナムのダナンまで遠征し、佐々木大地七段を下しているので、その記事も詳しく紹介される筈だ。(ダナンでの観光オフショット写真を見るのも楽しみ。)
今更言うまでもないが、今の将棋界は、藤井聡太というスーパーヒーローを中心に回っているんだなぁと実感。
僕が「将棋世界」を読み始めた5年前、将棋界のスーパーヒーローは、羽生善治(当時)竜王だった。
僕の購読開始号(2018年3月号)では、そんな2人のスーパーヒーローが握手をしている写真が表紙を飾っている。
羽生時代から藤井時代へ。
まるで、棋界のバトンを受け渡すかのような、運命的な写真だ。
藤井聡太は、デビュー以来29連勝という快記録を達成しているが、この「将棋世界」が発売された時点では、まだ、その快記録達成から7ヶ月しか経っていなかった。
段位もまだ四段であり、もちろん何のタイトルも獲得していない。
この当時、将棋界は史上稀に見る戦国時代となっていた。
この年の7月には、棋聖戦で豊島八段(当時)が羽生棋聖からタイトルを奪ったことにより、複数タイトルの保持者が消滅。
なんと、八大タイトルを8人で分け合うという、群雄割拠状態だったのだ。
それからしばらくの間、混戦が続くのかと思われたのだが、それからわずか5年で、事態は急変。
なんと、この八大タイトルのうち、7つを藤井聡太が独占するという「1強」時代になってしまったのだから、凄い。凄すぎる。
藤井竜王・名人(七冠)が、この5年間、いかに将棋界の顔で在り続けたかについては、「将棋世界」の背表紙を眺めてみると実感できる。
もう、藤井、藤井、藤井のオンパレードなのだ。
雑誌の背表紙に掲載される文言は、その号で一番重点的な特集となるのだけれど、年を追う毎に、藤井比率が高くなっていく。
棋界戦国時代だった2019年、背見出しに掲載された「藤井」名は、3ヶ月(2月号、4月号、6月号)に過ぎなかった。
しかし昨年(2023年)は、1月号から9月号まで全て「藤井」名が並び、なんと全12ヶ月中10ヶ月の背見出しを独占した。
10月号は、「将棋世界」1000号という記念号見出しの為例外と言えるし、12月号も《最強竜王》という形では紹介されているため、実質年間パーフェクトと言ってもいい。
今年も、2月号以降*2、背見出しに登場し続けており、次月号も新名人獲得で登場確実。
いったいどこまで誌面を独占し続けていくのか。
「将棋世界」が’、「藤井世界」になる日も遠くないかもしれないw