餃子ランナーがマラソンレースに出る場合、レース前日の食事は、当然餃子三昧になる。
レースに必要なスタミナを身体に蓄えるため、餃子ローディングは必須だからだ。
餃子は、小麦粉の皮で包まれているから、カーボ(炭水化物)を十分摂取できる他、肉や野菜もたっぷり含まれている完全食。
レース前日の食べ物として、こんなにふさわしいモノはない。(まぁ、僕は餃子が主食なので、レース関係なくいつも食べるんだけどw)
ということで僕は、北海道マラソン前日のランナー受付後、ランチで餃子御膳定食を堪能した。
その後、ホテルにチェックインを行って寛いでいたが、夕食までの間に、ちょっと時間があったため、ホテル近くの店で餃子を補給。
この店で、軽く餃ビー(ノンアルだけど)を行い、ウォーミングアップは完了。
僕は、満を持して、札幌一の歓楽街すすきのに繰り出した。
ただ、ここでちょっとした計算外の事態が発生。当初予定していた店に入れなかったのだ。
しかし、僕は気を取り直し、買ったばかりの「O.tone」餃子特集号に掲載されていた、「餃子の松」という店を目指すことにした。
その店は、すすきのの雑居ビルにさりげなく存在していた。
僕はそのビルの前を何度も通り過ぎていたが、これまでは全く見過ごしていた。
すすきの地区は、こういった雑居ビルだらけなので、「O.tone」のアシストがなかったら見つけることはできなかったろう。「O.tone」に感謝だ。
ビル内に入ってみる。
あった!
外からちょっと覗いてみると、店内は、カウンター5席程度しかなく、常連っぽい客と店のママさんが談笑していた。
一見客ではなかなか入りにくそうな店なのだけれど、「O.tone」の紹介記事にはこう書かれていた。
レトロなビルに入っている餃子バー。気さくな店主なので、女性ひとりでも入りやすいです。
女性ひとりでも入りやすい店なら、オッサンが抵抗を感じることはない筈。
店の前に貼りだしてあったメニューも魅惑的。
ちょうど1人2人は入れそうだったし、ここまで来てためらっても仕方ない。
ドアを開けて「空いてますか?」と確認すると、ママさんも常連さんも「空いてますよー」と温かく迎えてくれた。感激。
カウンターに座り、メニューを眺める。
さまざまな餃子があってワクワク気分だ。
僕の天敵である「納豆」餃子だけは無理だけれど、それ以外は、どれも食べたくなってきた。
餃子バーだけあって、酒の種類も豊富。
カウンターの上には、メニューに載ってない酒も多数並んでいて、常連さんたちはそこから選んで注文していた。
ただ僕は、レースの前日なので酒は厳禁。
ノンアルコールビールを注文したのだけれど、ママさんから「今日は(ノンアルビールの)仕入れを忘れちゃった。」と言われた為、ウーロン茶に。
お通しとして、ちょっとした酢の物がついてきたのだけれど、これがなかなか美味しかった。
こういった小品の味いかんで、店の良さがわかると思う。
周りの常連さんたちは、吞んで盛り上がっていたし、バーに1人で来て吞まないというのも何だか気まずかったので、僕は思わず言い訳をする。
「本当は飲みたいんですけど、明日北海道マラソンに出ますので…。」と、ママさんに言うと、笑顔で「明日走るんだー」と言って下さった。
その後、常連さんたちも加わり、「この暑いのによく走るねー」「フルマラソンを走る人は絶対Mだと思うw」などの話題で、大いに盛り上がる。
僕は、居心地の良さを感じて嬉しくなってしまった。
さて、餃子の注文だ。
餃子には沢山の種類があって、とても全部は食べられないし…と迷っていたら、その中に、「焼き餃子三昧」というものがあるのを発見。
ノーマル餃子(ニンニクありorなし)から1種に、メニュー内の★つき餃子5種を1つづつ含んだ、お一人様向けのお試し餃子セットだった。
天敵の納豆餃子には★がついていなかったので、僕はひと安心して、その「焼き餃子三昧」を注文。
その後もママさんや常連さんたちと楽しく話をしていると…
「焼き餃子三昧」登場だ!
ちょっと焦げ気味だったし、見た目では三昧感ゼロだったけれど、1つ1つしっかり工夫されていて、普通に美味しかった。
そして…。
餃子の後に注文した、季節メニューの「夏野菜のマリネ」が素晴らしかった。
ひとつひとつが瑞々しくて絶妙の味つけ。最高だ。
野菜を食べたら、また餃子を食べたくなってきた。
ということで僕は、餃子の《おかわり注文》を行うことにした。
「選べるやつ餃子」として、★の中から3種類(2個づつ)を選べるメニューがあったのだ。
僕は、「焼き餃子三昧」で食べた5種のうち、特に気に入った3種を追加注文。
到着!
焼き色は今回の方が美しかった。
レンコン餃子。
ザクザクしたレンコンの食感がたまらない。
エビと春雨の餃子。
プリプリの海老と、春雨のハーモニーが絶妙。
ゴロゴロ肉餃子。
はっきりと肉を感じられる、味わい深い餃子だ。
この店の餃子は、見た目の大きな特徴はないのだけれど、それぞれの具にママさんのこだわりが詰まっている。
店の雰囲気そのままに、温かみのある餃子たちだった。
会計後、ママさん(志穂さん)に「写真を撮らせていただけますか」と伝えると、素敵な笑顔で応えて下さった。
マラソン前日。
美味しい餃子をたっぷりローディングできた上に、ママさんや常連さんとの楽しい会話と笑顔で癒やされた。最高だ。
水餃子やイタリアン餃子など、この日食べられなかった餃子もあるし、できればお酒を飲みながら、もっとたっぷり話したい。
来年は、道マラ日程以外でも札幌に行こうと思っているので、その際は是非また立ち寄ろう。