昨日のエントリーで、僕は、JALのクラスJ当日アップグレード料金について書いた。
これまでは、普通席チケットを持っていれば、日本全国どんなフライトであっても、当日の空港において、+1,000円払うだけで、クラスJへのアップグレードが可能だった。
しかしそれが、地域別に変更となり、最大+3,000円が必要になるという悲報だ。
例えば《羽田-那覇》は「+3,000円」になるから、アップグレードを躊躇う人も出てくるだろう。
しかし、たとえ3,000円払ってでも、断然アップグレードすべきクラスJ座席が存在する。
それは…JALのWebサイトでも公式にアピールされている、この座席だ。
なんと、《クラスJ》の中には、JAL国際線ビジネスクラスの座席を使った座席が存在するのである。
これは、国際線機材を使った便のみ限定のサービスとなっているため、対象となるフライトは、ごくごく一部。
《羽田-那覇》《羽田-新千歳》《伊丹-那覇》などいくつかの路線のみ、しかも、その日のフライトのうち、数本が対応しているに過ぎない。
しかしもしも予定が合うのなら、このクラスJは絶対にお得だ。
航空券購入の段階で、普通席と1,000円の差しかないため、当然この席はあっという間に埋まってしまう。
僕のような、時間もお金も瞬発力もない人間にとって、この席を予約するのは不可能に近い。
しかし、そんな人間にもチャンスは残っている。
フライトチケットは、どんな時でも一定数のキャンセルが発生するため、フライト当日の空港で、アップグレードできる可能性があるのだ。
僕は、昨年12月に《どこかでマイル》で、沖縄旅行をした際、何としてもこの座席をゲットしたいと思った。
往路。
僕の搭乗便に指定されていたのは、JAL901便は「国際線機材」仕様だった。
《どこかにマイル》のチケットは、クラスJへのアップグレードが可能。
ということで、もともと早いフライト時間(AM6:20)のさらに1時間前、AM5:00過ぎに羽田空港へ到着した。
羽田空港近辺に住んでいるか、前日羽田近辺に宿泊でもしていない限り、そんな時間に空港へ着くのは不可能。
だから、クラスJへのアップグレードもできるだろう…と考えていたのだけれど、大甘だった。
当日のアップグレード枠は、僕が空港に到着した朝5時過ぎの段階で、既にキャンセル待ち。
こうなってしまうと、僕に可能性はない。キャンセル待ちの優先度が低いからだ。
僕は、過去のJAL修行の成果として、《サファイア》ステータスを持っているので、ある程度は優遇される。
しかし、JALには、《サファイア》より上位の《ダイアモンド》《プレミア》というステータスが存在する。
たとえ僕が、フライト5時間前にキャンセル待ちをかけても、フライト20分前に《ダイヤモンド》ステータスの人にキャンセル待ちをされると、追い抜かれてしまう。
だから、僕がどんなに早くキャンセル待ちをかけようが、意味がないのである。
念のためダメ元でキャンセル待ちをかけてみたが、やはりダメだった。
僕が登場した便では、キャンセル待ちをかけていたダイヤモンドクラスの搭乗客中、先着3名しかアップブレードできなかったようだ。
それほどまでに大激戦だったのである。
搭乗便に乗り込む際、クラスJ座席を通り過ぎたのだけれど、僕は本当に悔しかった。
あぁ、この席に座りたかったなぁ…。
那覇からの復路。
当初《どこかにマイル》で指定されていた便は、国際線機材仕様ではなかった。
しかし、急遽予定が入り、午後の便で帰京しなければならなくなった時、僕はふと閃いた。
国際線機材のクラスJに乗れるかもしれない!ということだ。
《どこかにマイル》のチケットは、JALの特典航空券同様、フライト当日、搭乗予定の便より早い便に空席があれば、振替可能というメリットがある。
これを生かして、国際線機材を狙おう。
ということで調べてみると…。
那覇15:00発のJAL996便が、国際線仕様であることがわかった。
よし、これで帰ろう!
このクラスJをゲットしよう!と思った。
と言っても…まともな方法では到底無理。
前述の通り、当日の空港でキャンセル待ちになってしまったら、勝ち目はない。
たとえ僕が、フライト何時間前にキャンセル待ちをかけたとしても、午後からふらりとやってきた《ダイヤモンド》《プレミア》客に追い越されてしまうからだ。
しかしそれは、あくまで当日キャンセル待ちになってしまった場合の話。
フライト当日、キャンセル待ちになる前にアップグレード席を確保してしまえば、《ダイヤモンド》《プレミア》客に奪われることはない。
その点を踏まえて、僕はとっておきの作戦を考えた。
フライト当日の空港オープン直後にアップグレードする!
という方法だ。
羽田空港は24時間稼働なので、空港ホテルに宿泊している人などには速さで叶わないが、那覇空港は、午前6時にならないと開かないから、この作戦が有効となる。
午前6時を待って、空港のカウンターに駆け込めば、クラスJにアップグレード出来る確率は、かなり高いと思った。
もちろん、午前6時前に、WebでクラスJ席が購入されてしまう可能性もあるが、この時点で購入しようとすると、5万円程度のチケット代がかかるため、そう簡単に売れるとは思えない。
僕は、その可能性に賭けた。
「そんな早い時間に空港へ着いたら、14時まで時間が余りすぎるだろ!」「午前中の那覇観光を棒にふってまでやることか?」と、思う人もいるかもしれない。
しかし、それは大きな誤解だ。
僕が朝一番で空港に行く目的は、あくまで、チケットをアップグレードして、チェックインすること。そのまま空港で過ごす必要はない。
チェックインしたら、また那覇市街に戻れば良いのだ。
那覇空港は、那覇市街からアクセスがとても良く、国際通り近辺などに宿泊していれば、ゆいレールを使って15分の距離しかない。
僕は、中心街の県庁前にホテルをとっていたため、早朝にアップグレードして、ホテルに戻っても、まだ午前7時前という計算が成り立つ。
午前中はゆったりと那覇観光をして、ランチを食べて、ゆったり再び那覇空港に向かえる。チェックインも済んでいるので楽勝だ。
ということで、いったんは、ゆいレールの始発で空港へ向かおうと思ったが、その時刻表を確認して、僕は考え直した。
ゆいレールの始発が那覇空港駅に到着するのは、6:12だったからだ。
那覇空港のオープンから12分も経っている!
空港駅に到着後は、ダッシュするつもりだったし、僕は一応ランナー(ホントか?)なので、同じ始発に乗っている人との競争なら、そんなに負けないと思った。
ただ…。
空港近くのホテルに泊まり、空港のオープン直後に駆け込んだ人には勝てない。
夜明け前から、アップグレード枠を狙って空港のオープン待ちをしている人がいるというのはちょっと考えにくい。みんなそんなに暇じゃなかろう。
でも、僕はとても心配性なので、それが気になって仕方がなかった。
ということで…僕は万全を期すことにした。
ゆいレールが走ってない時間なら、走っていけばいいじゃないか、とw
地図で確認したところ、最短距離を通っていけば、僕が泊まっていたホテルから那覇空港までは、たった4km程度。
那覇での夜明けランにもなって一石二鳥だ。
ということで僕は、まだ空が真っ暗な午前5時にホテルを抜け出し、空港へ向けて走り出した。
途中でちょっと回り道をしたりしたので、5km程度のランになってしまったが…5時50分には空港に到着。
オープンするや否や、JALのカウンターに駆け込んで…
搭乗便の変更&クラスJへのアップグレード権をゲット!
僕は、《どこかにマイル》チケットだから、元手がかかっていない上に、たった1,000円で、念願の国際線ビジネスクラスシートまで確保できたので、嬉しくてたまらなかった。
JALにしてみたら、5万円で売れるチケット筈のチケットが、たった1,000円で入手されてしまうのは、釈然としないかもしれないけどw
その後、ゆいレールの始発が到着しても、まだJALカウンターはガラガラだったので、結果的には、走って空港まで来なくても、クラスJへのアップグレードは可能だった。
しかし、それはあくまで結果論。
那覇での夜明けランはとても気持ち良かったし、ランナーならば、この方法が絶対のオススメだ。
ということで、僕は、上機嫌でホテルに帰着。朝風呂に入ってスッキリした後、国際通りでお土産などを買い、素敵なランチを提供してくれる店に入ることもできた。
午後になり、ゆったり空港へ向かい、搭乗便を楽しみに待った。
前倒しの帰京となったため、普通ならば落胆しているところだけれど、フルフラットのビジネスクラスシートが僕を癒してくれる、筈。
僕は、そう思いながら、意気揚々と帰りの飛行機に乗り込んだが、ここで僕は、想定外の情景に遭遇する。
僕が乗り込んだ飛行機は、確かに、国際線使用のビジネスクラスシートではあったのだけれど、何だかちょっとイメージが異なっていたのだ。
僕が思い描いていたシートは、JALのWebサイトに掲載され、行きのフライト時に涙を呑んだ…
「SKY SUITE Ⅲ」と呼ばれるものだった。
しかし、僕が帰路で搭乗したJAL996便に搭載されていたクラスJのシートは…。
あれ?なんかちょっと違う。
そう。
このシートは、「SKY SUITE Ⅱ」だったのだ。
僕は一瞬がっかりしたが、ネットでの評判などを調べてみると、SKY SUITEに関しては、欧米路線などに使われている「SKY SUITE」(無印)だけが別格で、「SKY SUITE Ⅱ」と「SKY SUITE Ⅲ」は大差ないとのことだった。
いや、「SKY SUITE Ⅲ」より圧迫感がない分、むしろ「SKY SUITE Ⅱ」の方が良いという評判も出ていたほど。
無印SKY SUITEの素晴らしさについては、僕も1回だけ搭乗経験がある。
今回の「SKY SUITE Ⅱ」は、至福に酔いしれたあの極上座席に比べてしまうと、大きく見劣りするが、不満を言える立場ではない。
何しろ僕は、この座席をゲットするために、たった1,000円しか払ってないからだw
ビジネスクラスシートとして、一通りの装備は揃っているし、ゆったり感は十分。
何しろ、国内便にもかかわらず、座席が
フルフラットになる
というのが本当に素晴らしい。
僕は、思い切りそれを活用し、帰路はゆったりと休むことができた。
1泊2日の那覇旅行では、餃子の食べ歩きをしただけで、全く疲れてはいなかったのだけれど、僕はあまりの気持ちよさに、少し眠ってしまったw
前述させていただいたように、今年の4月15日から当日アップグレードの料金が改定され、《羽田-那覇》でのクラスJアップグレード料金は、+3,000円(従来比3倍!)となってしまう。
ただ、この国際線機材仕様ならば、+3,000円を払っても十分に価値がある。
機会があれば、また是非乗ってみたい。