昨日は、久しぶりに皇居外周を走った。
と言っても、今回は「通過した」という表現の方が正しいかもしれない。
僕が皇居にたどり着いたのは、午前4時頃。
日中はランナーでごった返す二重橋前の通りも、ガラガラで走り放題だ。
いつもの僕なら、夜明けの皇居ランでは、周回ごとに明るくなっていく空を堪能するのが常だった。
しかし、昨日の僕には、皇居を堪能している時間がなかった。
僕は、豊洲市場内のとある店を目指しており、その道程の途中に、皇居があっただけだからだ。
ということで、気分だけ皇居ランを味わったあと、すぐに目的地へと向かった。
銀座通りも閑散としており、まだ1日が始まっていないことを象徴するかのようだ。
勝鬨(かちどき)橋に到達。
ここで僕は、あの日のことを思い出した。
2年前の7月。
僕は、丑の日限定の「うなぎランナー」として、皇居ランのあと、豊洲市場の鰻屋に向かったのだ。
激しい雨が降りしきる中、心折れそうになりながら。
今日のランで、この橋を渡っている時が、一番の豪雨、かつ暴風だった。
橋の上からみた情景。
雨粒がファインダーを覆ってしまうほど。水はけも悪いのか、水たまりばかりで、靴の中はもう、ぐちょぐちょだ。
しかし、昨日は一転。
雲は多かったものの、2年前の景色とは段違い。橋の上からは、快適な情景が見渡せた。
ここまで来れば、豊洲市場までは、あと数キロメートルだ。
やおら、気持ちが高ぶってくる。
昨日は、とても暑い1日だったけれど、この時間は、まだそれほど気温も高くなくて、快適な気候だった。
僕の家からここまでは、それなりにロングランだったのだけれど、ゴール地点後に待っている「ご褒美」目指して、僕は気持ちよく走り続けた。
そして。
豊洲市場に到着!
この時点では、まだ午前5時前だったのだけれど、もう、空はすっかり明るくなっていた。
僕は、清々しい気分でランを終えた。
あとは、市場内にある、目的の店を目指すだけ、だ。
コロナ禍に伴い、市場への出入りにも制限が加わっていた。
マスク必須、入場時には検温も実施されるようだ。
僕はここまで、バフを装着して走ってきたが、こんなこともあろうかと、別途持参してきた不織布マスクに付け替えた。
午前4時45分。開場15分前。
僕の前には10人程度の人が並んでいた。よし。これぐらいの人数ならば楽勝だ。
皆、目的の店はそれぞれ異なる筈で、たぶん、超人気の「寿司大」を目指す人が多いだろう。
僕の目指す店なら、1番乗りできるかもしれない。
ということで、僕は、心躍らせながら、開場時間を待っていた。
その後、愕然とする展開が待ち受けているとは、思いも寄らずに。