今日は7月27日は、土用の丑の日。
ただ、僕は今日、色々と予定があって、昼も夜も、鰻を食べることができない。
ならば、朝食だ!
と、思いたち、僕は、そぼ降る雨の中、真っ暗な道を走り始めた。
鰻は、牛丼チェーンやコンビニなどでも食べることができるから、走ることないんじゃないか?と思われるかもしれない。
でも、それではダメなのだ。
僕にとっては久しぶりの、でも、大好きな鰻。折角ならば、専門店で美味しい鰻が食べたいじゃないか。
そんな朝早くから、鰻の専門店が開いているもんか。と、思われるかもしれない。
僕も最初はそう思った。
しかし、流石、眠らない街東京。ダテじゃない。そういった需要にも応えてくれる店があるのだ。
ということで…僕は、「その店」に向けて走り出した。
今日1日、土用の丑の日限定の、うなぎランナーだ。
僕の家からは、20kmもない距離だったので、2時間もあれば行けるだろう…と思っていたのだけれど、大甘だった。
今週は、色々と疲れることが重なったため、身体が思うように動かない。
もともとないスピードが、さらに遅くなり、信号で止まると、走りたくなくなってしまう。気力がどうにも乗らなかった。
しかし、何とか、鰻を目指して進んでいく。
しばらく経つと、ようやくまともに走れるようになってきて、時間的余裕も出てきた。
目指す店の開店は朝6時半。
僕は、真夜中から走り始めているので、歩いても到着できそうな状況になった。
ということで、ちょっと皇居に寄り道。
このあたりで、時刻は、たぶん午前4時半ぐらいだったと思う。ちょうど夜明けの時間だったが、雨が降ったりやんだりで、太陽は全く見えない。
時刻が早い上に、雨降りなので、もちろんランナーは皆無。皇居独り占めの走り放題状態だ。
ただ、今回、僕の目的地は、この先。
僕は皇居コースを離脱する。
銀座。
人と車で大いに賑わう街も、まだガラガラ。僕は、東京マラソンコースを思い出しながら、走り続けた。
この辺りでは、いったん雨が止んでいたのだけれど…。
築地市場に到着すると、激しい雨に変わった。
市場は移転してしまったけれど、場外は相変わらず活気に溢れていて、早朝から多数の店が営業中。
鰻の店も開いていた。
ちょっと調べてみると、この店も鰻の有名店で、僕はちょっと心が動いた。
ただ、この1号店は、持ち帰り専門(築地2号店では飲食可能だったが、営業開始は10:00~)だったため、断念。
先に進んでいくと、さらに雨は激しくなる。
勝鬨(かちどき)橋。
今日のランで、この橋を渡っている時が、一番の豪雨、かつ暴風だった。
橋の上からみた情景。雨粒がファインダーを覆ってしまうほど。
水はけも悪いのか、水たまりばかりで、靴の中はもう、ぐちょぐちょだ。
僕は、この時期の雨は嫌いではなく、蒸し暑いよりはいいと思っているが、流石にこれは降りすぎ。僕は、ちょっと心が折れかけた。
ただ、目的地までは、あとたった数km。僕は、何とか気力を振り絞って進んでいく。
すると…。
雨が止んだ!
目的地の直前、豊洲大橋の手前ではからっと雨が止み、日差しさえ覗いてきた。
そして…。
到着。
そう。今回の僕の目的地は、築地市場経由での…豊洲市場だったのである。
雨の中で頑張った(?)僕に、天から、プレゼントが届いた。
虹だ!
激しい雨の中を走り続けてきたからこそ、実に感慨深い風景。
僕は、折れかけていた心がすっかり元気になり、加えて、お腹も空いてきた。
さぁ、念願の鰻が待っているぞ。
僕は勇躍、市場の中へと入っていった。